鋭さに欠けた討論、プラボウォとジョコウィは「スローガン」と「経験」の「セールス」に終始

2014年06月17日付 Kompas 紙
6月15日に行われた候補者討論会において、中央選挙管理委員会会長フスニ・カミル・マリク氏を挟んで立つ大統領候補者のジョコ・ウィドド氏とプラボウォ・スビアント氏
6月15日に行われた候補者討論会において、中央選挙管理委員会会長フスニ・カミル・マリク氏を挟んで立つ大統領候補者のジョコ・ウィドド氏とプラボウォ・スビアント氏
ジャカルタ、kompas.com配信
ガジャマダ大学の政治評論家アリエ・スジト氏は、6月15日(日)に行われたプラボウォ・スビアント氏とジョコ・ウィドド氏の両大統領候補による討論会について、実質的な政治課題についての討論は行われなかったと評した。同氏は、プラボウォ氏は自らの政策スローガンを、ジョコウィ氏はこれまでの実績をそれぞれアピールすることに終始していた、と述べた。
「ただのスローガンや経験では十分ではない。それをどう組み立てて実行するかだ」と15日夜に本紙の電話取材に対してアリエ氏は述べた。

アリエ氏は、プラボウォ氏の使うスローガンの一つに全村落10億ルピア配布計画を挙げる。その計画は選挙運動の中やメディアを通して何度も民衆に伝えられてきたたため、プラボウォ氏独自の政治スローガンとみなされているという。

 一方で、ウィドド氏は州知事になった時の経験を伝えることばかりに終始していたきらいがあるとアリエ氏は述べる。ウィドド氏はまた、ジャカルタ首都特別州における成功の証であると同氏が主張するインドネシア学力向上カードやインドネシア健康増進カードをセールスポイントとして繰り返しアピールしていた。
アリエ氏によると、両候補者ともににすべての質問に答えるために限られた時間を完全には活用していなかった。さらに両者は、議題である「経済発展と社会福祉」に沿う経済問題をあまり掌握していないようであった。

「両者ともに経済政策における経験に乏しい。ウィドド氏はただデータを提示し、プラボウォ氏はスローガンの繰り返しに終始していた」とアリエ氏は述べた。

2回目となったこの討論の後にもまだ3回の討論が残されている。すなわちジョコウィ氏とプラボウォ氏が再び会する討論、ユスフ・カラ氏とハッタ・ラジャサ氏の討論、そして両ペア間(ジョコウィ氏とユスフ・カラ氏、プラボウォ氏とハッタ・ラジャサ氏の両ペア)の討論である。3回目の討論は「内政と国防」を議題として来たる6月22日に行われる。続いて、同月29日に「人材開発と学術及び科学技術の発展」をテーマとした副大統領候補の討論会が開かれる。そして両ペア間の最後の討論が「食糧、エネルギー、環境」を議題として7月5日に行われる。


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翻訳者:北森理佐
記事ID:855