「プラボウォ―ハッタ・ペアの勝利」とする選挙速報の信頼性問われる

2014年07月09日付 Kompas 紙

 ジャカルタ、kompas.com配信
 2014年大統領選の選挙速報でプラボウォ・スビアント―ハッタ・ラジャサ正副大統領候補ペアが勝利したと報じた調査機関について、信頼性を疑問視する研究者がいる。

 ガジャマダ大学政策学科で教えるマダ・スクマジャティ氏によると、2014年大統領選の選挙速報を行なうにあたって、各調査機関はそれぞれ独自の方法論を持っているという。しかしそうした方法論以上に、倫理と信頼性は調査機関が守るべき重要事項である。
「これは結論を導き出す力量にかかわることなので重要だ。どの調査機関が信頼でき、どの機関が信頼できないかは追跡すれば世間の目には明らかなこと。正直なところ、私はプラボウォ-ハッタのペアが勝利したと目下報じている調査機関の名前を聞くのは初めてだ」と、去る7月9日、マダ氏は本紙との対談の中で述べた。

 量的調査方法の講義も担当している同氏は、ジョコ・ウィドド―ユスフ・カラ正副大統領候補ペアが勝利したと発表した調査機関は、はるかに信頼性が高く、これまで良好な実績を保持している機関であると述べる。

 同氏によると、今日の調査機関は倫理と信頼性を守らなくてはならない。なぜなら、今日の調査機関はただ人々の意見を調査するだけにとどまらず、民衆の意見を方向づけるものでもあるからだ。

 いっぽう、インドネシア大学数学学科で教鞭を執るティティン・スミ氏は、目下、選挙速報という行為には調査機関の信頼性がかかっているという。しかしながら調査機関が一方からお金を受け取って注文を受ける傾向もある。
「スポンサーの意向に合わせた調査結果を発表する機関も少なくないのが現状だ」と同氏は述べる。
"
 調査機関ごとに異なる選挙速報結果に関して、ティティン氏は、この違いは標本調査に起因するものだと分析する。「標本調査自体が間違っているというわけではない。しかし確実なのは、バランスをとらなくてはならないということだ」と同氏は述べた。

 本日実施された2014年大統領選挙の選挙速報でプラボウォ氏とハッタ氏のペアが勝利したと発表した調査機関は、少なくとも開発戦略政策研究センター(Puskaptis)、インドネシア・リサーチセンター(IRC)、全国調査機関(LSN)、インドネシアの声ネットワーク(JSI)の4機関がある。

 いっぽう、ジョコ氏とカラ氏のペアが勝利したと発表したのは次の7機関、すなわちポプリ・センター、戦略国際問題研究所(CSIC)、コンパス紙調査研究機関、インドネシア政治指標(IPI)、インドネシア調査サークル(LSI)、インドネシア国営ラジオ放送(RRI)、ムヤニ・リサーチ・アンド・コンサルティング(SMRC)などである。


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:妹尾理沙
記事ID:920