内務大臣、文書を通じて過激派組織「イラクとシリアのイスラム国(ISIS)」の勢力拡大防止を地方首長へ要請

2014年08月10日付 Kompas 紙
ISISのインドネシア人グループが、インドネシアのイスラム教徒に対してグループに参加するよう求める内容の動画
ISISのインドネシア人グループが、インドネシアのイスラム教徒に対してグループに参加するよう求める内容の動画
ジャカルタ、kompas.com配信

 ガマワン・ファウジ内務大臣は全ての地方首長に対してイスラム教スンニ派の過激派組織「イラクとシリアのイスラム国(ISIS)」が広めている急進的主張の影響拡大を防ぐため、早急に対策を講じるよう求めた。上述の内務省要請は8月7日付の文書で通達された。
 
 内閣事務局のホームページによると、内務省情報通信局長のディディク・スプライトノ氏はジャカルタで、「建国五原則パンチャシラの理念や多様性に悪影響を及ぼし、単一国家インドネシア共和国の統一を脅かす可能性を持つISISの主義主張が広範囲にわたって盛んな広まりを見せていることを鑑み、内務省は8月7日付の文書(No:450/3806/SJ)により州知事や県知事、市長らに早急に努力と対策措置を行うよう通達した」と述べた。

 ディディク氏によると、内務大臣通達の中で意図されている対策措置とは、各自治体の首長が、村や町にはじまり、郡や市、県、州にいたるそれぞれの行政レベルの指導層と、調整や協力を最大限に行うということである。

 それ以外にも他の対策措置として地方政府とインドネシア国軍、共和国警察、国家情報当局、移民当局、宗教省、各地域の他の関係機関との間で連携を高めることがあげられる。この連携こそがISISの主義主張の拡大を防止する。

 また、ディディク氏によると内務省は各自治体の首長に対し、社会早期警戒会(FKDM)、宗教調和会議(FKUB)、テロ防止協調会議(FKTP)、民族融和会議(FPK)役割を活性化するよう要請した。

 「我々はまた、国民に対しISISのグループや組織によって広められている主義主張にたやすく影響されることのないよう呼びかけている」とディディク氏は述べた。

 内務大臣は同時にこの通達で、各自治体の首長に対して、各地域における政治的社会状況や治安・秩序の現状について速やかに報告するよう要請している。内務省はすでに内務省情報通信局本部のなかに、報告の窓口を設置した。

 政府はこれに先立って、ISISが信奉する主義が建国五原則パンチャシラの観念と単一国家インドネシア、そしてインドネシアの多様性に沿わないと判断した。それゆえに政府は、その主張の支持を禁止するだけでなく、ISISに関与するすべての者に対して厳しく処罰している。
 
 ISISはその信念の戦いのためには、暴力の行使もいとわない急進的な組織と見なされている。もし、このまま放置された場合、その暴力はインドネシアの統一を脅かすであろう。


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翻訳者:木村花菜子
記事ID:974