ジョコ大統領、「アセアン経済共同体、インドネシアを恐れているのは他国のほう」

2015年04月14日付 Kompas 紙
去る3月26日、北京の人民大会堂における歓迎式典ののち、中国の習近平国家主席との会見の席で語るジョコ大統領。
去る3月26日、北京の人民大会堂における歓迎式典ののち、中国の習近平国家主席との会見の席で語るジョコ大統領。
 
ジャカルタ、kompas.com配信
 
ジョコ大統領は、インドネシアの経済発展の行方はこの国の持つ認識と楽天性に大いにかかっていると述べた。
 大統領は、アセアン経済共同体の発足にあたりインドネシアは大きな役割を担う必要があるという。

 インドネシアが悲観することはない、インドネシア経済の興隆について気をもんでいるのは他国のほうなのだから、とジョコ大統領は語る。

「このアセアン経済共同体に関する問題も同じである。多くの人々が(今後のインドネシア経済を)心配し、どうすればマレーシアやシンガポール、タイ、ブルネイに立ち向かうことができるのかということを私に尋ねてきた。不安に思う気持ちがあったからだろう。しかし、北京、シンガポール、ブリスベンでそれぞれの国の国家元首や政府の高官と会談した際、彼らは私になんと言ったか。彼らもまた(インドネシアの興隆を)恐れていたのだ」と、去る4月6日に大統領宮殿で開かれたインドネシア青年実業者協会(HIPMI)の幹事らとの会談の席で述べた

 ジョコ大統領は、他国こそがインドネシアの経済発展を恐れている以上、事業者たちは不安に呑まれるべきではないのだと述べた。自らもかつて家具製造販売業を営んでいた大統領は、事業者たるものはどのような小さなチャンスであっても活用すべきであると語った。
アセアン内での競争力を身に着けるための方策のひとつは、事業を拡張してゆくことであると大統領は述べた。そのほかにも大統領はインドネシアにおける産業の限界の問題にふれた。

 ジョコ大統領はこれまでの間インドネシアは固有の豊かな天然資源を活用出来ていなかったと考えている。天然資源はすべて原材料の状態で輸出されてきた。
 そうした原材料は輸入先において加工され、出来上がった製品がインドネシア国内で高値で販売されているのが現状である。そのためジョコ大統領は、今後事業者たちが国内における産業分野の開拓に乗り出すことを望んでいる。大統領は現行のさまざまな政策によって市場に大きなビジネスチャンスが与えられるということを見通しているのだ。

 例えば政府による魚肉生産業の育成は、缶詰製造から冷蔵保存設備製造に至る産業に独自のビジネスチャンスを提供するだろう。「ビジネスを興すなら興すべき。成功への鍵と切り札を持ちながらみすみす無駄にしてしまうようなこと、こればかりはわれわれが望まないことだ」とジョコ大統領は語った。


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翻訳者:一丸夕花
記事ID:1307