インドネシア宗教大臣 同性婚に難色

2015年07月03日付 Kompas 紙
アメリカ最高裁判所が全米50の州において同性婚を合法と認める判決を下した2日後、サンフランシスコとカリフォルニアで行われたゲイパレードに参加し道を埋め尽くす数千の人々(2015年7月2日)
アメリカ最高裁判所が全米50の州において同性婚を合法と認める判決を下した2日後、サンフランシスコとカリフォルニアで行われたゲイパレードに参加し道を埋め尽くす数千の人々(2015年7月2日)
ジャカルタ、KOMPAS.com配信
 ルクマン・ハキム・サイフディン宗教大臣は、インドネシア国民は宗教に敬虔だという認識があるため、わが国では同性婚は受容され難いだろうと述べた。

 アンタラ通信によると、7月2日、ルクマン大臣はジャカルタで「インドネシアのような国では同性婚を受け入れるには困難な状況がある。インドネシア国民は宗教を大事にしている。そのためインドネシア社会においては、同性婚はもっぱら法律上の問題に留まらないと考えている」と述べた。


ルクマン大臣によると、結婚とは神聖な儀式であると同時に信仰上の義務でもあるため、宗教的価値観と切り離して考えることはできないという。

「そのような理由から、インドネシアでは同性婚の認知、まして合法化など困難なことである」とルクマン大臣は続けた。

これに先立って国民議会第七委員会議長であるサレ・パルタオナン・ダウレイ氏は、アメリカでの同性婚合法化はインドネシアに対しては大きな影響は及ぼさないだろうと述べている。

「LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)間の結婚合法化は、われわれには影響を及ぼし難い。二国の文化における価値観や宗教観は異なっているため、アメリカの社会事情をインドネシアへ持ち込むことは誤りである」とサレ氏は言明した。


 サレ氏によると、LGBT間の結婚は社会の秩序だけではなく、信仰や精神的価値感にも悪影響があるという。


「周知の事実であるが、どんな宗教もいまだ同性婚は認めていない。なぜなら、ほぼすべての宗教において、結婚とは異性二人の神聖な結びつきであるという認識があるからである」とサレ氏は話す。


 本質的に、結婚とは宗教的な慣習であり、教義であるとサレ氏は述べる。仮に宗教的慣習やその教義を踏襲しないならば、それは結婚とはいえない。

 同じ家に住んでいるだけの男女ならば、どこにもいくらでもいる。宗教的慣習や教義を通した結びつきを経て初めて、共に暮らす男女は結婚していると見なされるのである。


 サレ氏は更に続ける。「宗教的慣習や教義こそ結婚という行為の本質である。だからこそすべてての結婚は宗教的聖性を蔑ろにしてはいけないのだ」


「同性間で関係を結ぶことは、正式なものとも合法的なものともみなされない。そのような関係性は結婚などではありえず宗教上の記録に残すこともできない」とサレ氏は語る。

サレ氏は最後にこのように述べた。「結婚は宗教の管轄であり行政の管轄ではないことを忘れてはならない。行政の役目は結婚の事実を制度的に記録することである。そうした記録によって事務手続きや(信仰に関する情報も含めた)個人データの管理がなされている以上、国は宗教の定めに反する結婚を記録に残すべきではない」


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翻訳者:柳谷光咲
記事ID:1611