65年共産主義者弾圧の犠牲者への悔恨の意、新たな論争の種と評価

2016年06月05日付 Kompas 紙
アグム・グムラル元政治・法務・治安調整担当相。去る6月2日ジャカルタのカルティニ会館にて
アグム・グムラル元政治・法務・治安調整担当相。去る6月2日ジャカルタのカルティニ会館にて
 ジャカルタ、KOMPAS.com配信
 アグム・グムラル元政治・法務・治安調整担当相は、65年の共産主義者弾圧の犠牲者遺族に対する政府からの悔恨の意の表明は不要であると述べた。

 これに先立ち、9月30日事件のシンポジウムにおいて、国家人権委員会(komnas HAM)は国が政党や組織、反逆者ではなく、犠牲者に対し悔恨を表明することを提案した。

 アグム元大臣によると、その声明を表明した場合、新たな論争を引き起こすことになるという。

 6月4日、アグム元大臣は「その必要はない」と、南ジャカルタ、南チプテの第2西アングル通り2番にあるサバム・シアギアン氏(*注釈1)の喪家への訪問を終えたのちに述べた。

「そうした意思表明に対しては、満足しないむきも出てくることだろう」と、インドネシア共和国退役軍人会(Pepabri)の会長でもあるアグム元大臣は続けた。

 (国と被害者らの)双方を引き合わせて和解を実現する案に関しても、アグム元大臣はもはや必然的になされていると語った。

 「もはや今では、元共産主義者が行動を制限されるようなことはない。共産主義者の子どもや孫たちは普通に生活でき、権利はすべて世間一般の人びとと同じだ。参政権などすべての種類の権利が同じだ」と、アグム元大臣は述べた。

「つまり、和解はもはや必然的に進んでいるということだ。私の考えでは、これ以上問題にする必要はない」と、アグム元大臣は語った。
 今日にあって国民はより良い生活を共に築き、国造りをするべきだ。若い世代に紛争の種を残してはいけない。とアグム元大臣は付け加えた。 
 「すでに私たちは一つの家族で、彼らは国を愛す国民であり、私たちも同じである。今はもう国民の未来を見通すべきだ。私たちの子孫に紛争の種を残してはいけない。これが一番重要だ」と、アグム元大臣は述べた。
注釈1:去る6月3日に84歳で死去したインドネシアのジャーナリスト。


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:板井史織
記事ID:2604