バスキ州知事、宗教冒涜の初公判で悲しみをあらわに

2016年12月14日付 Kompas 紙
去る12月13日、休職中のバスキ・チャハヤ・プルナマ・ジャカルタ首都特別州知事、北ジャカルタ地方裁判所の法廷にて
去る12月13日、休職中のバスキ・チャハヤ・プルナマ・ジャカルタ首都特別州知事、北ジャカルタ地方裁判所の法廷にて

 バスキ・タハジャ・プルナマ・ジャカルタ首都特別州知事(知事選出馬で休職中)は宗教を冒涜したとして起訴された。検察(JPU)は、バスキ州知事が刑法第156条に違反するとして起訴した。

 検察は起訴状の中で、バスキ州知事の行為はウラマとイスラム教を侮辱したものであるとしている。バスキ州知事は起訴状が読み上げられた後、なぜ検察がこのような起訴に及んだのか理解できないと述べた。

 バスキ州知事は、すぐさま異議申し立てを提出した。バスキ州知事は、自身が宗教冒涜の疑いを掛けられることについていくら考えても理解できないと感じている。私生活において、同氏はムスリムの友人たちと多く交流しているためである。

 バスキ州知事はまた、敬虔なムスリム家庭である故バソ・アミール氏一家と家族同然の関係を持つ。そのため、バスキ知事は、バソ・アミール氏一家との近しさに関して語る際、涙を禁じ得なかった。

 「私はコーランの神聖な節を尊重しなければならないとわかっている。なぜ私がイスラム教の教えを冒涜した者として非難されるのかいくら考えても理解できない。私はムスリムの一家と家族同然であるのに」とバスキ州知事はジャカルタ・ガジャマダ通りにある旧ジャカルタ裁判所の建物内で述べた。

 異議申し立てが読み上げられた時、バスキ州知事は黙っていた。読み上げる声はやや重苦しかった。バスキ州知事はティッシュで涙を拭うところが見られた。その後、州知事は自身の修士課程の学費もムスリムである一家のきょうだいに出してもらったのだと語った。

「私は、イスラムを侮辱した罪に問われ、とても悲しい。それは私が敬愛する、そして私を愛してくれる両親や兄弟たちを侮辱したと言われるに等しいからである」とバスキ州知事は述べた。

 異議申し立てが読み終えられるまで、バスキ州知事は何度か涙をぬぐい、声を震わせた。バスキ州知事の悲しみは、公判が終わっても続くだろう。

 公判が終わると、バスキ州知事は裁判所内の一室に入っていった。コンパス紙が入手写真からは室内の雰囲気がうかがえる。

 その写真は、悲しい顔つきでややうなだれているバスキ知事が、後ろからジルバブを被った女性に抱きしめられている様子を写している。その女性はバスキ州知事と家族の付き合いを持つ一家の姉である、ナナ・リワヤティ氏である。ナナ氏の表情も、悲しみを見せるバスキ州知事と同じものだった。


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:昆野諒介
記事ID:3070