ジョコ大統領、米国にイスラム敵視の払拭を求める

2017年05月22日付 Kompas 紙
去る5月1日、香港での昼食会で演説を行うジョコ・ウィドド大統領。
去る5月1日、香港での昼食会で演説を行うジョコ・ウィドド大統領。
ジャカルタ、コンパス.com配信

ジョコ大統領は去る5月21日、サウジアラビアの首都リヤドで開かれた米アラブ・イスラム・サミット(*註釈1)で演説をした。
 
 大統領宮殿の公式報道によると、ジョコ大統領は演説でこのサミットがいかに重要であるかを強調した。

 ジョコ大統領はこのサミットについて、イスラム世界と米国の連携におけるメッセージという意味が含まれていると述べた。このサミットでは米国がイスラムを敵視しているという認識を払拭することも期待されている。

 「より重要なことは、この会談はテロリズム撲滅への協力を高め、同時に平和のメッセージを世界に送るためのものでなくてはならないということだ」とジョコ大統領は述べた。

 またジョコ大統領は「歴史はすでに兵器と軍事力だけではテロリズムに打ち勝つことはできないということを証明している」とも述べている。

 ジョコ大統領は誤った考え方は正しい考え方によってだけ変えることができるという見解に立つ。
 
 そのため、インドネシアはソフト・パワーによるアプローチがハード・パワーによるアプローチよりもずっと重要であることを原則としている。

 すなわち、ハード・パワーによるアプローチとは別に、インドネシアは宗教や文化を通じたソフト・パワーによるアプローチが重視であるということだ。

 「例えばイスラム過激派受刑者の更生教育を行うために、インドネシア当局は社会、すでに更生している元テロ受刑者の家族を含む家族、そして各社会組織を巻き込んでいる」とジョコ大統領は述べた。

 「一方、イスラム過激派に対抗するため、インドネシアは平和のメッセージを広めるべく、多くのフォロワーを持つネットユーザーを募集・採用している」とジョコ大統領は続けた。

 「私達は、平和と寛容のイスラムのメッセージを発信し続けるために、インドネシアの二大イスラム組織、すなわちムハマディヤとナフダトゥール・ウラマーを巻き込む」とジョコ大統領は述べた。

 暴力のメッセージではなく、平和のメッセージが増やされるべきだ。どのような暴力も新しい暴力を産むことになる、とジョコ大統領は述べている。

註釈1 イスラム教スンニ派諸国を中心とする55カ国との首脳級会合。


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翻訳者:秋山瑶貴
記事ID:3466