ジョコ大統領とプラボウォ氏は手を組めるか

2018年04月18日付 Kompas 紙
2014年10月、大統領選に勝利したジョコ氏は対抗馬であったプラボウォ氏を訪問。就任式に招待した。
2014年10月、大統領選に勝利したジョコ氏は対抗馬であったプラボウォ氏を訪問。就任式に招待した。

ジャカルタ、KOMPAS.com配信

ジョコ・ウィドド大統領がグリンドラ党党首であるプラボウォ・スビアント氏を副大統領候補に擁立することを打診しているというニュースはますます広まっている。

さらに、開発統一党ロマフルムジ党首はこの打診を肯定する発言を数回にわたってしている。

先週、開発統一党イスラム全国大会の合間にロミ氏(ロマフルムジ氏の呼称)は、質問されるまでもなく2017年以降ジョコ大統領はプラボウォ氏に近づく試みをしていると説明した。

ロミ氏は、ジョコ大統領が2017年11月に副大統領候補についての話を探るため、すでに二回もプラボウォ氏に会ったと語った。

同氏によると、プラボウォ氏はこの申し出を高く評価しているという。さらに、プラボウォ氏は2週間前、ジョコ大統領に確認のため、彼のもとに代理人を向かわせるなどポジティブな反応を示している。

しかし、2019年度大統領選挙でジョコ大統領を支持する5人の政党党首らの承認が当時まだなかったと、ロミ氏は続けた。同氏はジョコ大統領の選択に同意していると認めた。

一方で、他の政党議長はまだはっきりと表明な明確な意思表明していない。
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ジョコ大統領がプラボウォ氏を副大統領候補として手を組もうとする理由は、2019年度総選挙の際の対立を最小限にするためだと、ロミ氏は述べた。

国民議会議員選挙と大統領選挙の同時開催により、選挙運動時の対立はますます大きなものになると懸念されている。

このことはジョコ大統領とプラボウォ氏の摩擦を一層大きくする可能性がある。


ジョコ大統領と闘争民主党の意見

去る14日、スマラン国立大学で行われた党創立45周年記念式典に出席した際、ジョコ大統領はプラボウォ氏への副大統領候補申し入れに関するロミ氏の声明を、くつろいだ様子で受け止めた。

あいさつの中で、ジョコ大統領は笑いながら、ロミ氏にその行動について責任を取るよう求めた。

ジョコ大統領に皮肉られたロミ氏はただ笑いながら受け止めるだけだった。

プラボウォ氏の副大統領候補擁立いうジョコ大統領の試みは闘争民主党指導委員会長のヘンドラワン・スプラティクノ氏も認めている。

「なぜなら今後の政策綱領、国の統一の方が、誰が大統領になるかということより重要だからだ。そうした理由から、そのような(ジョコ大統領とプラボウォ氏を組ませるというような)考え方が生じるのだ」と去る14日、ヘンドラワン議長はコンパス紙に対して述べた。

ヘンドラワン議長はこのような試みは2019年度総選挙で、ジョコ大統領を擁立する連立勢力よってまだ行われる、と述べた。
ヘンドラワン議長よるとこの提案に対する最終決定がまだなされていないため、様々な可能性が残っているという。


ヘンドラワン議長は、プラボウォ氏がグリンドラから委任を受けているにも関わらず大統領候補としての立場を表明するには至っていない、と述べた。

そのため、2019年度総選挙でジョコ大統領とプラボウォ氏が手を組むという可能性はまだあると同氏は判断している。

グリンドラ党も肯定
グリンドラ党の幹部もジョコ大統領によるプラボウォ氏への打診を認めている。

グリンドラ党のアンドレ・ロシアデ事務総長は、ジョコ大統領がプラボォ氏に負けるのを恐れているがためにこうした行為に出ていると評価している。

アンドレ氏によると、プラボウォ氏はすぐにこの申し出を断ったという。アンドレ事務総長は、プラボウォ氏がジョコ大統領に代理人を送り、自身の擁立計画の進展についてたずねたということに反論した。
大統領候補としての委任を受け入れたプラボウォ氏の心づもりは最終的であり拘束力のあるものだとアンドレ祖事務総長は評価している。

「そんなのはロミ氏の作り話ではないか。仮にプラボウォ氏がジョコ大統領の副大統領候補になりたいのなら、もうすでになっているはずだ。4月11日にグリンドラ党がプラボウォ氏を大統領候補として擁立する声明をだしたのにありえない話だ」とアンドレ氏は述べた。

民間の調査機関、サイフル・ムジャン・リサーチ・アンド・コンサルティング(SMRC)のシロジュディン・アバス氏 は、2019年の総選挙でジョコ大統領とプラボウォ氏が団結する余地がまだ残されていると評価している。

このことはプラボウォ氏を大統領選候補に擁立するための連立がまだ組まれていない事実に現れているという。

アバス氏は、もしプラボウォ氏が本当にジョコ大統領の申し出を断っているなら、擁立するための連立が確定するのをそう長く待つ必要はないと述べた。

「もし、本当にジョコ大統領の申し入れを断ったら、プラボウォ氏は直ちに、例えば、福祉正義党(PKS)や国民信託党(PAN)などと連立を確実にするだろう。けれど、まだそれが行われていない」と去る15日、本誌の取材に対してロジュディン氏が述べた。

大統領候補としてグリンドラ党の委任を受け入れたというプラボウォ氏の表明は陸軍特殊部隊コパススの元司令官であったプラボウォ氏がジョコ大統領に接近することになることを保証するものではないと、シロジュディン氏は評価している。

シロジュディン氏によると、グリンドラ党の委任を受け入れたというラボウォ氏の声明は2018年地方首長選挙が間近に迫る中、幹部、支持者、グリンドラ党の有権者からの支持を結束し、保持するためであるという。

「そのためプラボウォ氏側の連立が形成されないうちは、どうなるかはまだ分からない」とシロジュディン氏は続けた。


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翻訳者:川本祥子
記事ID:4250