アナック・クラカタウ山噴火についての5つの事実・火山灰の飛散方向も含め、活動は未だ変動的 

2019年01月04日付 Kompas 紙
噴火するアナック・クラカタウ山
噴火するアナック・クラカタウ山
kompas.com配信
アナック・クラカタウ山の現在も継続している。セラン県
チナンカ郡パスルアンの観測所によると、去る1月2日にはアナック・クラカタウ山は60回噴火している。
しかしながらこれらの噴火は去る12月22日のような津波は引き起こしていない。
とはいえ、噴火による火山灰はジャワ島に向かって流れると予測されている。この火山灰は市民生活に影響を及ぼすことはないと考えられる。
アナック・クラカタウ山の噴火活動の経過についての事実を以下に示す。

1・アナック・クラカタウ山、60回の噴火を記録

セラン県チナンカ郡パスルアンにある観測所の職員は去る1月2日には、アナック・クラカタウ山は60回噴火したことを記録。
しかしながらこの噴火が津波を引き起こす可能性は小さいとみられると、火山地質災害センターの職員であるデニ・マルディヨノ氏は話す。
「今起きている噴火が津波を起こす可能性は非常に小さいと考えられる。なぜなら現在までに山の高さは110メートルという高さにまで減少してしまっているからだ」と、去る1月3日、デニ氏はパンデグラン県ラブアンのスンダ海峡津波統合対策本部で話した。


2・アナッククラカタウ山、未だ活動は変動的

去る12月10日、バンテン州スンダ海峡にあるアナック・クラカタウ山の噴火が起きた際、黒煙が噴出した。スラン州都バサウランにあるアナック・クラカタウ山観測所で記録されたデータによれば、12月7日から12月9日にかけて、同山は204回もの150から300メートル級の噴煙を出し、31から72秒間継続した22回の火山性地震を伴っていた。結果、未だに状況は警戒レベルにある。
去る6月に活動が活発化して以降、依然として同山の変動は継続しているとデニ・マルディオノ氏は述べた。
海抜338メートルが110メートルに縮小するまでの一連の流れが観察されたのちに、同山の活動は沈静化する傾向が見られている。
一方、同山は2日間連続して33回もの噴火と60回もの爆発を記録しており、今までのところその状態はまだ変化しておらず、警戒レベル3のままである。
同山から吹き出された砕流物に当たる可能性があるため、デニ―氏は同山から5キロメートルの定められた危険区域に立ち入らないことを順守するよう市民に呼び掛けている。



3. 気象庁、引き続き起こる地滑りに警告

気象庁は、アナック・クラカタウ山の山体に新しい亀裂を発見した。
ドゥウィコリタ・カルナワティ気象庁長官によると、そのような亀裂は山の海抜が以前の338メートルからわずか110メートルに減少した後に現れた。
「公開中の最新の観測では、山はすでに少しずつ落ち着いてきているものの、海底から煙が立ち上っている。しかし、地表に残る山体には、煙が立ち上る亀裂があり、その亀裂は確実に深く、異常である」とドゥウィコリタ気象庁長官はパンデグラン県ラブアンのスンダ海峡津波統合対策本部で述べた。
長官によると、当局はアナック・クラカタウ山の海底に西側から南側まで谷間が存在したときの状況を懸念している。
「私たちは、海底が急勾配で上部が緩やかになっている状況を懸念している。もし亀裂が繋がり、振動が起きたら、崩壊が誘発されるかもしれない」と長官は述べた。




4・ 気象庁:海岸から500メートルの地域に注意喚起

アナック・クラカタウ山から噴出した火山噴出物がスリブ諸島のハラパン島まで流れた。
アナック・クラカタウ山で連絡して起きた地滑りに関連し、気象庁長官は海岸から500メートル付近にいる際は警戒するように住民に警告した。
「津波が起きたとして、もちろん最も良いのは先日のようにならないことであるが、我々は市民の方々に海岸から500メートル付近にいる際は注意を怠らないように求めている」と長官は述べている。
この海底地滑りは以前2018年12月22日に起きた9千立方メートルの海底地滑りより小さいことがわかっている。
しかし、その対策として気象庁は波と気候の観測センサーといった装置を設置した。そのセンサーは、アナック・クラカタウ山に程近いのスベシ島に設置された。
その装置というのは、波形の動きや、アナック・クラカタウ山の活動き起因する気象を監視するよう動く。
激しい揺れの波形があった場合、センサーが信号を関連するデータ本部へ送信する。
「並行して、もし津波のような高い津波があれば、ジャカルタ気象庁・国家防災庁・地方警察により早く知らせる。そのため、国民の為に早期の警告をより早く行うことが出来る。」と長官は締めくくった。



5. 火山灰 ジャワ島の方向へ

スンダ海峡のアナク・クラカタウ山の噴火により発生した火山灰は風に乗ってジャワ島に向かっている。
そのことは西部インドネシア時間午後3時現在の気象衛星「ひまわり」の気象画像によって確認されたと、気象庁広報課長アフマド・タウファン・マウラナは述べた。
「そのアナク・クラカタウ山は火山灰が7から9メートルの高さの層で北東方向ジャワ島へ向かう」と去る1月3日にタウファンは述べた。
しかし、同氏はその火山灰の拡散する最大到達距離についてまだ述べることが出来ない。
「火山灰がジャカルタに達することは確認を取ってからでないとまだ断言することが出来ない。しかし、北東の方角へ向かっているのは確かだ」と述べた。
タウファンによると、火山灰は市民の生活に影響を及ぼすほどではないと推測される。しかしながら、市民は今後も注意することが求められている。


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:高橋淳平
記事ID:4707