ウィラント相刺傷に関する4つの事実:凶器はクナイ、腸40センチ切除

2019年10月12日付 Kompas 紙
去る10月10日、バンテン州パンダグラン県を訪問中に不審人物に刺されたウィラント政治・法務・治安調整相(写真左から二番目)
去る10月10日、バンテン州パンダグラン県を訪問中に不審人物に刺されたウィラント政治・法務・治安調整相(写真左から二番目)
パンデグラン、kompas.com配信

去る10月10日、パンダグラン県のムネス広場で、ウィラント政治・法務・治安調整相が車から降りる際に一対の男女に襲撃された。

同氏は腹部を刺された。現在、インドネシア国軍元司令官でもある同氏はジャカルタのガトット・スブロト陸軍中央病院で集中治療を受けている。

警察によると、2人の実行犯はイスラム国と連携したテロ組織、ジャマア・アンシャルット・ダウラのメンバーであった。

テロリズム評論家のアル・カイダル氏は、そのテロ攻撃はイスラム国と連携しているテロ組織網が依然として緊密であることを示すためのものだと述べた。

また、同氏は彼らは依然として彼らの意志に従わない者には誰にでも、おぞましい示威行動をし、テロ行為を広範に展開することができると説明した。

「テロ行為の目的は、できる限り広く様々な方面に対し恐怖を与えることである」と同氏は述べた。

以下がパンデグラン県におけるウィラント相刺傷に関する事実である。


1. 事件当日、メラウケ行きの予定があった


事件が起こる以前に、10月10日は本来ならばメラウケに向かう予定だったとウィラント相は述べていた。

しかしメラウケへ向かう予定は、25年間ウィラント氏と密接な関係を持ってきたマトラウルアンワル大学を訪れる為に中止された。

同大学では、同相は運営委員会最高顧問に就任している。

「実は今日はメラウケに向かう為にキャンセルしたかった。しかし私は司令官にバンテンに行かなければ行けない為参加したくないと言った。司令官は譲歩し、ならばイベントを早め、ワメナからジャヤプラへ、そしてジャカルタへ戻って来るようにしようと述べた。ここにいるみなさまにお会いすることができて感謝している」とウィランント氏は去る10月10日、狙撃される1時間前にマトラウルアンワル大学のキャンパスにおいて講演をした際に述べた。

ウィラント相は去る10月7日パンデグランに行くつもりであった。しかしながら、他の日程が入ったのでその予定はキャンセルされた。

上述の予定は10月10日に公表されたばかりであった。


2.腸を40cm切除

政治・法務・治安担当調整省の専門官であるアグス・ザイニ氏はウィラント相が刺されて負傷したため40cm程小腸を切除したと述べた。
このことは筆記説明を通してアグスに伝えられた。

「ありがたいことに、依然として治療が必要な状態だが、ウィラント相の術後の経過が良好なのはありがたいことだ。同氏は神がなによりもの拠り所であると信じている。アッラーの御加護が引き続き降り注ぐことを祈る。」

現在まで、ウィラント氏はジャカルタのガトット・スブロト陸軍中央病院で集中治療を受けている。

3.実行犯、ウィラント相を「クナイ」で襲う


本紙の取材に対し、去る10月11日、インドネシア国家警察広報局社会広報部長デディ・プラセトヨ氏は、ウィラント相を刺すために使用された鋭い武器が「クナイ(苦無)」であることを認めた。


くない(苦無)とは近距離での戦闘に使用される忍者の武器である。

その一方でテロの評論家のアル・カイダル氏は、「クナイ」は簡単に手に入る日本由来の凶器であると述べる。

同氏はチレボンでは苦無(くない)やサムライが量産されていると話す。

また同氏は、使用された武器の種類から、急進的集団がISISと連携しているかどうかを知ることができると述べる。

「ISISとも提携しているジャマー・アンシャルット・ダウラ(JAD)の可能性も確かに存在する。凶器の点から見ると身近な武器であるナイフを用いている点は、ISISの特徴と一致する。山刀や鋭い刃物、台所包丁を用いる。このような方法はすでに4年前に彼らが命令したものだ」と同氏は述べた。


4.凶行は瞬発的に行われた

警察本部での記者会見の場でインドネシア警察広報課の広報局長であるデディ・プラセトヨ氏は、去る10月11日に、瞬発的にS.A実行犯に刺されたと発表した。

警察に対しS.Aもまた、刺されたのが政府の人間である事を知らなかったと認めた。

「S.Aの攻撃は瞬発的だった。 S.Aはすでに犯行計画をもっており、その標的は「政府」か「警察」のいずれかであって具体的な標的はなかったと述べた。


S.Aは妻であるF.Aにはヘリコプターから降りた人を刺すつもりだと語ったが、一方妻はS.A自身の近くにいる警察官を刺すように指示されていた。


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翻訳者:渡邊萌
記事ID:4972