大気汚染でCOVID-19感染者・死者増か ジャカルタ

2020年05月01日付 Kompas 紙
写真)去る4月26日、ジャカルタ・ポンドック・ランゴン霊園にて新型コロナウイルスによる死者の埋葬作業にあたる職員。
写真)去る4月26日、ジャカルタ・ポンドック・ランゴン霊園にて新型コロナウイルスによる死者の埋葬作業にあたる職員。

ジャカルタ、kompas.com配信
インドネシア大学のブディ・ハリャント教授(公衆衛生学)は、ジャカルタ周辺地域での大気汚染が新型コロナウイルス感染者およびその関連死者数の数を引き上げる一因であると推論している。

このことは、汚染された空気に長年さらされた市民が新型コロナウイルスに対し最もハイリスクな集団となったことによって推測される。

同教授は米ハーバード大学の研究により、現在のジャカルタと同程度の1立方メートルあたりのPM2.5濃度と新型コロナウイルスによる死亡率の15%の増加に関連性が見られていることを説明した。

さらに、PM2.5汚染が進んでいる地域における新型コロナウイルスによる死亡のリスクは、汚染されていない地域と比べて4.5倍となっている。

大気汚染が原因の健康障害や慢性病が併存疾患として、新型コロナウイルスに罹った患者の病状を悪化させる恐れがあるからだ。

「世界における発見成果やジャカルタのPM2.5の平均濃度をもとに、そのような病状の悪化が想定される」と去る4月30日、オンライン会議上で同教授は述べた。

同教授によると、深刻な大気汚染は健康被害、つまり上気道炎やぜんそく、その他の呼吸器疾患を引き起こす。

それらの疾患は身体の免疫機構を弱め、新型コロナウイルスに打ち勝てなくしてしまう。

結果として、新型コロナウイルスに感染した場合、重症化する可能性が高い。

「併存疾患がない人と比較すると、(併存疾患を持つ人の)身体の免疫が新型コロナウイルスに抵抗出来る可能性は絶対ではない。その一方、健常者が同ウイルスに感染した場合、身体の免疫があるため抵抗する事が出来る」と同教授は述べた。

4月30日時点で、ジャカルタにおける新型コロナウイルスの感染者数は4138人となった。

上述の合計数は、これまでの患者数4033人と比較して、105人増加している。

その新型コロナウイルスの陽性患者全体の内、412人がすでに回復したとされている一方、インドネシア全土で381人が亡くなっている。

そして、未だ2073人の患者が入院中であり、1272人の患者が自主隔離状態にある。


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翻訳者:池内亜美
記事ID:5172