国防省でプラボウォ氏の部下となった元「薔薇チーム」の面々

2020年09月30日付 Kompas 紙
去る2019年6月18日報道評議会での取材を終えた元インドネシア国軍少将チーム・マワール司令官チャイラワン氏
去る2019年6月18日報道評議会での取材を終えた元インドネシア国軍少将チーム・マワール司令官チャイラワン氏


ジャカルタ、Kompas.com配信

ダダン・ヘンドラ・ユダ国軍准将とユリウス・セルバヌス国軍准将の国防省入省により、プラボウォ・スビアント大臣が指揮を執る国防省に面子を揃えるようになった元「チーム・マワール(薔薇チーム)」の名前が加えられる。

両名は、スハルト体制時代に活動家の誘拐・失踪事件に関与した「チーム・マワール」
の元メンバーである。

ダダン・ヘンドラ・ユダ氏は現在、国家テロ対策委員会(BNPT)の事務総局長の地位に就いている。

同氏は前任のボンダン・ティアラ・ソフヤン氏に代わり、国防省防衛庁長官としての地位に就くことが決まった。

一方、ユリウス・セルバヌス氏は現在181/プラジャビラタマ地域軍管区司令官の職に就いている。

同氏はジョコ・スプリヤント インドネシア国軍少将の後任で国防省戦略防衛長官になる。

両名は、ジョコ・ウィドド大統領が去る9月23日に署名した大統領令2020年第166号TPAに基づいて、国防省へと異動となった。

この決定は、去る7月28日SR/479/M/Ⅶ/2020、9月7日にはSR/568/M/Ⅸ/2020という番号の大統領への書面を通じた、プラボウォ・スビアント国防大臣の提案に基づいている。

Kompas.comの記録によると、両名が国防省に入省することが正式に決定する前に、国防省に内定しているチーム・マワールのメンバーが少なくとも2名存在した。

この2名とは、チャイラワン・カダルシャー・カディルッサラム・ヌシルワン少将とヌグロホ・スリストヨ・ブディ准将である。

チャイラワン氏はチーム・マワールの元司令官である。国防大臣令KEP/1869/M/IX/2019に基づき、彼は国防省特別補佐官を任されている。

一方、ブディ氏は国家諜報機関の専門職ら人事異動となり、国防省の政治分野の専門家となった。

この人事異動は、国軍内の役職の解任と登用に関する2020年1月31日付の国軍内の役職の解任と登用に関する司令官の決定Kep/92/I/2020に基づいている。

このように、現在プラボウォ氏と共に一団となって復帰してきた元チーム・マワールの隊員が合計4名存在するのである。

インドネシア法律扶助協会(YLBHI)法的支援課長のムハンマド・イスヌル氏は、上述の元チーム・マワールの隊員が一人、また一人と入閣することで、かつて彼らが行った人道犯罪に対する国家による刑事免責が次第に強固なものになっていくだろうと述べた。

「インドネシアの人権擁護という文脈では、非常にこれは恥ずかしいことであり、人権を侵害した人たちがますます告発されず刑事免責や恩赦にあずかっている。最良の人材を任命すべきだ」と、去る9月30日、kompas.com の取材に同氏は答えた。。

同氏は同省での過去の人権侵害の加害者が集結することは、国家としての後退であり、あるべき統治倫理に反しているとみなしている。

「これはジョコ・ウィドド大統領が基本的人権を尊重していない大統領であることを表している。あきらかに、あるべき統治倫理に反している」と同氏は述べた。

「チーム・マワール(薔薇部隊)」はプラボウォ・スビアント氏がかつてインドネシア国軍在籍時に率いていたインドネシア陸軍特殊部隊の第4グループである。

「行方不明者暴力被害者のための委員会(KONTRAS)」の記録によると、インドネシア国軍のユリウス・セルバヌス准将とダタン・ヘンドラ・ユダ准将はスハルト時代に活動家の拉致・誘拐を実行したチーム・マワールにおいて、大尉の職階をもつ隊員であった。

その活動により、ユリウス・セルバヌス准将はジャカルタ第2高等軍事裁判所によって禁固20か月、インドネシア国軍局免職の判決を下された。

一方でダタン・ヘンドラ・ユダ准将は16か月の禁固刑に処されたが、免職はされなかった。

しかしながら、上訴したことでユリウス・セルバヌス准将の免職は無効となり、両名は現在も軍人として活動している。


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翻訳者:松村涼音
記事ID:5476