ヘリコプターでばら撒かれたビラの中に脅迫や宗教問題の扇動が含まれていた

2022年01月06日付 その他 - ミャンマーナウ 紙
12月9日にヨー地域で軍用ヘリコプターがばら撒いた宣伝のビラ(写真:YDF)
12月9日にヨー地域で軍用ヘリコプターがばら撒いた宣伝のビラ(写真:YDF)
PDF壊滅を理由に村を攻撃している軍用ヘリコプターがばら撒いているビラの中で、
イスラム協力機構(OIC)とカチン独立軍(KIA)が武器を支援していると述べられていた。

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国民防衛部隊(PDF)と協力した場合、町や村は破壊されるという旨を伝える宣伝の脅迫ビラを11月末からザガイン管区においてヘリコプターでばら撒いている。

多数派の仏教徒と他の宗教の信者の対立を大々的に煽っているこのビラでは、PDFを受け入れる村を移動してまとまった村として設立し、地元の人々の社会的生活は被害を受けると脅迫した。

「あなた達の町や村は破壊されていいのか?」「軍と連携して、PDFを壊滅させよ」といった文言が三つ折りのA4用紙に印刷してある。

宣伝のビラをばら撒いた地域は、PDFのゲリラ攻撃が強力であり軍評議会が手痛い目に遭っているザガイン管区のブタリン、イエーウー、インマビン、カレー、カニー、タンセー、ミンギン、カンバルー、チュンフラ、コーリンを含む管区の境界が隣接しているマグウェ管区、ヨー地域である。

過去数日間、飛行機の音、爆弾と銃撃の音が騒がしいので、この数日だけの死者と破壊された物のリストを作成しているとき、地元の人々がビラを拾ったと知った。民衆の殺害は、軍の高官に責任があると地域の議員の一人は話した。

「国民を残虐に殺害したこと、生きたまま火に投げ入れたことに対して、犯罪全てに対する
報いを受ける覚悟をしておいて欲しいとだけ言いたい」とカレー郡第一選挙区、管区議会議員ドー・タンウェチョーが話した。

カレー郡では12月27日に宣伝のビラがばら撒かれたことを前出の管区議会議員が話した。

チンドウィン川から翡翠を運び出している軍評議会の軍と戦闘が起きているカニー郡のPDFは、彼らの地域でビラをばら撒かれたのは12月末であったこと、情報の流れを止めることが難しいこの時代、軍評議会による嘘の宣伝のビラを人々が信じることはないことを答えた。

「心理戦が行われているのだ。軍評議会側が何を書こうと、何をばら撒こうと、今は88年(の民主化運動の時代)ではない。インターネットの時代だ」とカニー郡のPDF広報担当者は話した。

「自分達の側の人をまとめることが出来ないのだから以前と同じであり、万策尽き果てたに違いない」

カニー郡の地元の男性も、ゴム紐付きのパチンコのみを持った村人を、空軍と陸軍を使用し軍評議会が攻撃していることは、既に多くの人が知っていると話した。

「彼らはこの状態の村人に会ったとしても撃ち殺している」と前出の地元の人は続けて話した。

宣伝活動方法

この脅迫は、国民の怒りや憎しみを消すことは出来ないとミンムー郡ゲリラ部隊-People's Guerrilla Commando-Myinmu-が述べた。

「宣伝活動をすれば国民が信用すると思っている考えをしているのが奴等だ。国民がどれほど憎悪しているかは多く語る必要はない」とその部隊の広報責任者、ビーユーン中尉が述べた。

「国民の反対側に立つ勇気を誰が持っているのか、勇気のあるやつは反対側に立っていれば良い」。

ヨー地域、ガンゴー郡のマウリン村とチョー村の周囲に宣伝のビラをばら撒いた日は12月9日であることを知ることが出来た。

戦闘が激しくなっているウェッレッ地域を含む一部の郡においてこの宣伝のビラがばら撒かれたことはまだない。

軍評議会はその地域で自分達の影響力がまだあると思っているので、宣伝のビラはまだばら撒かれていないと民主革命団体が思案した。

軍評議会は思想を広める様々な方法を用いているとザガイン管区議会カンバルー第2選挙区選出のウー・ネージンラッが推測した。

「フェイスブックの軍に関連するアカウントは閉鎖されているので、フェイスブックからは彼らの宣伝は行えない。なので飛行機であちこちにばら撒いている」とウー・ネージンラッが解説した。

国民民主連盟(NLD)政府が廃止しなかった情報省のテレビ、ラジオ、新聞も軍評議会の好きなように宣伝する手段である。

様々な事業をしている軍においては軍所有のテレビ、ラジオ、新聞を持っているのである。

ヤカイン州において2年間の戦争が起こっている時にインターネットを切断していたように、現在、軍事行動が激しい地域であるマグウェ管区、ザガイン管区、カチン州とチン州の一部の郡においても軍評議会は2021年9月の初めからインターネットを切断していた。

宗教問題への影響

NLD政権の時に、宗教問題の扇動を公然と支持した軍の高官は、今ヘリコプターからばらまくビラにも同様に扇動を加えていると分かった。

カチン独立軍(KIA)とイスラム協力機構(OIC) が援助しているという宣伝を書いている。

「OICは、仏教徒を互いに殺害し合うように扇動している、宗教の侮辱、背後から出家僧を殺害するために裏でお金と武器、火薬の支援などをしているのだ。」

仏教徒同士が互いに殺し合うならば、OICとKIAは幸せであると、そのビラに書いてある。

この宗教扇動は、軍を支持する急進的愛国者という人たちのSNSの内容に似ている。

軍評議会が掌握している新聞の紙面には、そのように規則に違反する宣伝文を掲載する習慣は無く、軍の高官が他の宗教を尊重していることを表明している。

ヘリコプターからばらまいたビラで、軍評議会が武器を供与した組織が100以上あると明らかにした。組織の名前はまだ明らかにされていない。

ピューソーティー(訳者注:記事番号5941参照)という暴力組織を訓練してから、武器を供与したとの発言を、軍の高官はしばしば否定している。

宣伝のビラに関してさらに理解できるよう、情報省のウェブサイトに明らかにされている軍評議会情報チームの政府高官の電話番号4つに連絡しても、答えることはなかった。

11月中に、マンダレー管区アマラプラ郡と、チン州ファラム市の多くの国民が関係する場所で、軍人がそのようなビラを貼り付けて回っていることが、地元の人からわかった。

国民防衛部隊(PDF)と関わりがある人の家を没収する、村落を移動させる、と脅すような文言や、暴力的なNLD党などの文言を含んだビラを、11月最終週にチャンミャタージー区、アマラプラ郡にある地区、村落区で貼り付けて回っていた。

アマラプラ郡の一部の村において、宣伝のビラが引き裂かれたということを聞いて、軍人が地元住民のところに行って暴力を振るった。

同様に、チン州ファラム市のPDFを攻撃すると書かれていた手渡しのチラシも、軍評議会が配布していた。

ゾーイェトゥエ 2022年1月6日 ミャンマーナウ


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翻訳者:R.K, K.I, Y.K, M.K,
記事ID:6230