軍評議会による和平協議への招待、撃鉄は起こしたとKNU

2022年02月08日付 その他 - ミャンマーナウ 紙
12月24日、カヤー州パルーソー郡で民間人30人以上が集団で焼かれ殺害されたのは軍評議会によるものであると、地元武装組織と関係団体は確信している。(写真KNDF)
12月24日、カヤー州パルーソー郡で民間人30人以上が集団で焼かれ殺害されたのは軍評議会によるものであると、地元武装組織と関係団体は確信している。(写真KNDF)
軍評議会軍が武装組織に和平協議を呼びかけたが、KNUを含む武装組織は、その提案を信用しないと述べた。

2月7日

クーデターを起こした軍評議会が、すべての民族武装組織に和平協議を呼びかけたが、すでに撃鉄は起こした[注:銃を発射できる状態にする、闘う準備はできているの意]、協議することは無いと、長期にわたり武装闘争を率いたカレン民族同盟(KNU)が応えた。

テロリスト集団に指定した組織を除いて、全国停戦合意(NCA)に未署名の組織も含め、すべての民族武装組織を和平協議に招待すると、軍評議会が本日(2月6日)発表したことについて、ミャンマーナウの取材に対し、そのように述べたものである。

軍評議会はNCAに含まれる合意事項を遵守しなかったので、もはや話し合う理由がない、とKNUのスポークスマンであるパドーソートーニーは述べた。

「信頼は完全に潰えた。我々は撃鉄を起こした。指は引き金にのっている。向こうが和平と言うと同時に我々は銃の引き金を引くだけだ」と述べた。

軍評議会の和平協議の呼びかけについて、NCA合意にもはや期待はしていない、それゆえ時間を無駄にする必要もない、とパドーソートーニーは述べた。

「彼ら(軍評議会)と話しをする理由は何もない。NCAに別れを告げるべき状態に至っている」

クーデター以降、KNUの管轄地において、軍評議会との戦闘が継続して発生している。タイ―ミャンマー国境近くのレーケーコー新町に避難していた国会議員を含む軍政に反対する人々を、軍が強制突入し逮捕したことから、その地域で、12月中旬に戦闘が発生した。

軍評議会が陸路からの進攻と重火器による射撃、激しい空爆を行ったことで、地元民を含む現地に至っていた何千人もの人々がタイ側へ避難しなければならなかった。

選挙に当選した議員から成る連邦議会代表委員会(CRPH)、国民統一政府(NUG)と国民防衛部隊(PDF)を、軍評議会はテロリスト集団に指定している。それに対して、それらの組織も軍評議会を、多くの国民を逮捕し殺害しているテロ組織であるとしている。

国際社会からの圧力は引き続き強まっており、加えて地元PDFを含む民族武装組織の一部との激しい戦闘に対峙しなければならない時に、軍評議会が和平協議を再び呼びかけているのである。

クーデター以降、ヤンゴン、ネーピードーを含む多くの地域で、PDFとの戦闘を繰り広げている軍評議会は、NCAに署名した組織の半数とも戦闘を展開している。多くの場所で、国民を集団ごと殺害しており、それらの事件について、軍評議会は他の武装組織に罪をなすりつけている。

軍評議会の和平への呼びかけには、疑念を抱かざるを得ない、とNCAに未署名のアラカン軍(AA)のスポークスマン、カイントゥカは本日(2月7日)ミャンマーナウに話した。

「平穏なラカイン地方に来て、攻撃をしかけているので、疑わざるを得ない。一方では和平協議と言い、もう一方では攻撃をしている。相互に信頼関係を築くことを阻害している」と同氏は述べた。

国軍とAA武装組織との間では、2020年の選挙以前から停戦となっていたが、今月初めに、ラカイン州北部マウンドー地方で再び戦闘が起きるようになった。

軍評議会の和平協議への招待については、同盟軍であるコーカン武装組織(MNDAA)、タアン民族解放軍(TNLA)とはまだ協議していないと、カイントゥカは話した。

軍評議会の発表はお飾りにすぎず、誰も信用していない、とミャンマーの政治アナリストのウー・タンソーナインが話した。

「片手に火種、片手に柄杓、だれがそんなものを承認するのか。信じない。ふりをして見せるだけで国際社会もどの国もどんな勢力も承認しはしない。見せかけだけで、中身はなにもない」と同氏は批判した。

シャン民族民主連盟(SNLD)党の副事務局長であるサインチョーニュンは、軍評議会として、今以上にもっと具体的な約束をしそれを保証して、協議に招待すべきだと指摘した。

「もっと保証することが必要だ。国軍が政治からいつ撤退するか、その計画を真っ先に言わなければならない。この国をどのように建設するのか、具体的で確固とした情報もないのに、協議が成功するはずがない」とサインチョーニュンは述べた。

テロリスト集団に指定した組織以外、という軍評議会の和平への呼びかけは、北部に拠点を置く強大な民族武装組織であるカチン独立軍(KIA)の政策に反している。

というのも、KIAの政治組織であるカチン独立機構(KIO)のインバンラ議長は、数日前に開催されたカチン革命記念日の演説で、独裁制打倒のために闘うすべての組織は、NUGと連帯し行動すべきであると述べたからである。

「恒久和平」という言葉を、繰り返し述べているクーデター軍のリーダーは、第75回シャン州の日に、メッセージを送り、国は深刻な貧困に陥っており、政党崇拝、個人崇拝という誤った考えのもとで行動していると、非難がましく述べている。

KNUのスポークスマン、パドーソートーニーは軍事独裁制は完全に打破しなければならず、軍は政治から退かなければならないと、きっぱり述べた。

「我々が進むべき道ははっきりしている。軍事独裁制を完全に崩壊させる。彼らが抵抗しても崩壊するまで戦う。軍は政治から身を引いて、軍本来の仕事に戻るのだ」とパドーソートーニーは述べた。

ミャンマーナウ 2022/2/7


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翻訳者:ビルマ語メディア翻訳班(HM)
記事ID:6268