賄賂を渡したと告発したマウン・ウェイッがドクター・ゾーミンマウンに手を合わせる

2022年02月19日付 その他 - ミャンマーナウ 紙
ネーピードー国際会議中央局において行われた国民民主連盟(NLD)党の2020年選挙前の会議で演説するドクター・ゾーミンマウン(写真EPA)
ネーピードー国際会議中央局において行われた国民民主連盟(NLD)党の2020年選挙前の会議で演説するドクター・ゾーミンマウン(写真EPA)
 マンダレー管区首相がバンコクに治療に出かけた時、金銭を渡したと独裁政権の寄りの実業家が告発していた。

2月18日 

 マンダレー管区のドクター・ゾーミンマウン首相が3年前白血病の治療をするため、タイのバンコクに行った時に賄賂を渡したと、麻薬で15年の禁錮刑に処されたことのある実業家マウン・ウェイッが告発していた。
 歴代の軍事独裁政権に近しいマウン・ウェイッは、2019年にドクター・ゾーミンマウンがバンコクに治療に行った時に10万ドル、またマンダレーに帰った時6500万チャット[訳注:約430万円」を渡したと告発していた。軍評議会もそれに基づき、訴訟を2つに分け審理を始めた。
 最高刑が禁錮15年になる汚職撲滅法第55条の容疑で、2件の訴訟をマンダレーのオーボー刑務所内の法廷で2021年12月から管区裁判長のウー・キンマウントゥンが審理をしていると、裁判所に近い人物が話した。
 本日(2月18日)、法廷に軍評議会側の証人として、告発者のマウン・ウェイッが出廷したが、マンダレー管区首相に自ら金銭を授与したのではないと証言したことが、その情報筋によりわかった。
 常に身ぎれいな格好でいたマウン・ウエィッは、今日の法廷に、長いひげを生やした瞑想修行者の姿で入廷し、法廷を出る前に、ドクター・ゾーミンマウンの足元に無理やり蹲踞し手を合わせた[訳注:礼拝や謝罪、許しを乞う動作]、と同氏が話した。
 しかし、ドクター・ゾーミンマウンは、それを受け入れず、「宣誓というのは、背いたら報いを受けるものだ。輪廻転生までそれは続く」と警告したことがその情報筋からわかった。
 軍評議会側から証人5、6人に尋問し終えたその2つの審理において、告発者のマウン・ウェイッを含む誰一人も、ドクター・ゾーミンマウンに金銭を渡したと証言することは無かったと、同氏は続けた。
 「実際首相に自ら渡したという者は誰一人おらず、一切受け取ってもいない。法廷で告発通りだれも証言できない。治療費は首相の長男とNLDの保健ネットワークが負担したのだ」と上記裁判所に近いその人物は話した。
 セーバイン建設会社のオーナーであるマウン・ウェイッは、NLD党の議長であるドー・アウンサンスーチーに対しても、同様に告発していて、クーデター後一ヶ月が経過した2021年3月に、軍評議会がその発言をビデオ公開したことがある。
 2018年から2020年の間に、ドー・アウンサンスーチーに4回面会した時、紙袋にドルを入れて渡したことがあること、合計55万米ドルあったことを、マウン・ウェイッが話している。
 そのビデオで「手渡したときには、そばに誰もいなかった」とマウン・ウェイッは話し、軍評議会もその件で、ドー・アウンサンスーチーに汚職の条項を適用し審理を始めた形跡はまだない。
 マウン・ウェイッは、以前の軍事政権時代に、権力者である一部の将軍と懇意であった他、情報部の元トップであるウー・キンニュンとも近い人物である。
 2008年麻薬事件で15年の禁錮刑を受けたが、軍の元将軍らが率いる連邦団結発展党(USDP)政府の時代、2014年に釈放された。
 マウン・ウェイッは、NLD政権のリーダーらを拘束し軍評議会に全権を移譲した、副大統領ウ・ミンスェの姪の配偶者である。刑務所から出所してすぐに建設会社を創設し、コネのある元将軍らと経済事業を推進してきた。
 ドクター・ゾーミンマウンをマウン・ウェイッ同様告発しているプンピョーティッ会社のウー・イェーミンという人物の供述で、汚職1件、ミンジャンとピンウールインのNLD事務所を建設した時に、汚職を免れない行為があったというのが2件、合計5件を汚職条項で軍評議会が訴追していた。
 NLDの副議長であり、70歳になるドクター・ゾーミンマウンに対し、クーデター後一年の間に、3つの条項により、4年の刑をすでに言い渡している。
 同様に、軍評議会は、NLDが再び圧倒的勝利を収めた2020年の選挙において、職権を乱用したとして禁錮1年が科せられる刑法第171条(f)項、禁錮3年が科せられる第130条(a)項でも訴追している。
 現在のところ、白血病を患っているドクター・ゾーミンマウンの健康状態は安定していると裁判所に近い人物は話した。

ミャンマーナウ 2022/2/18 ニャンフラインリン


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:ビルマ語メディア翻訳班(HM)
記事ID:6278