バイクタクシーの運転手から大統領までがジャカルタの大気汚染の犠牲に

2023年08月16日付 Kompas 紙

ジャカルタ、kompas.com 配信
ジャカルタ、ボゴール、デポック、タンゲラン、ブカシ(ジャボデタベクと総称される首都圏)の空気の質の悪さは、多くの人々に影響を与えている。

毎日路上で苦労し、汚れた空気を吸わされているのは庶民だけでなく、大統領のような国の高官さえもが首都圏の悪質な大気汚染の犠牲になっている。
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サンディアガ・ウノ観光・創造経済大臣は、ジョコ・ウィドド大統領がジャボデタベクの大気汚染の影響でしばらくの間咳をしていたことを明らかにした。

同大臣によれば、ジョコ大統領は首都の大気汚染問題を直ちに具体的に解決するよう求めたという。

「ジョコ大統領はすでに自身が咳に苦しんでおり、1週間以内に明確な進捗を要求している。大統領は咳き込んで4週間ほど経つが、こんな気分は今まで感じたことがないとのことだ」と同大臣は去る8月14日、ジャカルタの大統領宮殿で述べた。

「医師によれば、健康を害する悪質な大気の影響があるかもしれない」と同大臣は付け加えた。
また、同大臣はジャボデタベクの大気汚染はスポーツ観光にも悪影響を及ぼすと続けた。

ジャボデタベクで発生した大気汚染について注意を喚起した国際マラソン大会があるのだという。

「観光の観点から、すでに注意を促されたイベントがいくつかあり、たとえばジャボデタベク周辺で行われる国際マラソン大会は健康を害する大気に関して注意を発している」と同大臣は述べた。

「スポーツ観光の参加者の多くは、活動に参加する前にジャボデタベクの空気の質を考慮し始めている」と同大臣は続けた。
また、「もしこの大気の問題が適切に処理されなければ、大会の評判や組織にも悪影響が及ぶ」と警告した。

「そして最終的には、特にジャカルタ周辺における旅行への関心の低下にも影響を及ぼす」とジャカルタ首都特別州の元副知事は語った。

ジョコ大統領の部下であるムハジール・エフェンディ人間開発・文化部門調整大臣もまた、ジャカルタの悪質な大気の犠牲者となった。

同大臣は、屋外でより快適に運動ができるよう、他の地域を訪れて首都の大気汚染を免れようとしていることを認めた。

「その地域にいる間はジャカルタの大気からのがれていられるので、自分の足や自転車を使う。何故ならジャカルタで運動すると、より健康になるのではなく、かえって健康を害するものであると感じるからだ」と8月14日にムハマディア協会中央事務所で取材に答えて同大臣は語った。

同大臣は最近のジャカルタの大気の質が良くないものであることを否定しなかった。同大臣は自身のオフィスから僅か605メートルの距離にある独立記念塔(通称:モナス)を見つけられなかった。

「モナスは私のオフィスのある8階からは見えず、途切れ途切れに見えるそれには霧がかかっているようだった。しかしその霧とは汚染なのである」と同大臣は語った。

大気汚染のせいで、すでにみた政府要人たちも彼らが解決するべき庶民の問題と同様の苦情を自分たちも経験することになった。

バイクタクシーの運転手であるブディハルジョ(62歳)は、走行中に吸った空気で気分が悪くなったと訴えた。

「そう、風が不快なのだ。暑くて風もあるが、気持ちよくない。普通、暑くて風が吹いているときは気持ちがいいものだ」と、14日北ジャカルタのラワ・バダック地区で取材に答えて同氏は述べた。
その結果、同氏は呼吸器系の疾患で体調を崩した。

医師は、しばらくの間、バイクタクシーの仕事を休むようにと言った。

「医師は『空気が良くないから、体調に気をつけてビタミンをたくさん飲むように』と言った」とブディハルジョは述べた。

同氏は医師の様々な助言に従って自宅で休んでいたが、咳はおさまらなかった。

結局、ブディハルジョは長く家に居ることができず、仕事に戻らなければならなかった。

路上で大気汚染に悩まされても、守らなければならない暮らしがあるのだ。

「それでも、健康に気をつけている上に食事にも気を付けているが、治らない。まだ咳は出るが、無理をして仕事をしている」とブディハルジョは述べた。


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