気候変動の影響による「疾病X」(Disease X)出現の危険性

2023年10月05日付 VietnamPlus 紙
【写真】イラスト(出典:ジャカルタポスト)
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気候変動の影響による「疾病X」(Disease X)出現の危険性
Nguy cơ xuất hiện “bệnh X” do ảnh hưởng của biến đổi khí hậu


「疾病X」とは科学者たちが用いる語句で、いつでも出現する可能性があり、また世界中に深刻な伝染病をもたらす可能性のある未知の病原体のことである。



マレーシアの研究者たちは、疾病Xの出現は気候変動問題の影響で将来パンデミックに発展する可能性があると警告している。

世界保健機関(WHO)が2022年11月に更新した新しいリストでは、「疾病X」とは科学者たちが用いる語句で、いつでも出現する可能性があり、また世界中に深刻な伝染病をもたらす可能性のある未知の病原体のことを指している。

クアラルンプールのベトナム通信社特派員によると、教授のラム・サイ・キット博士は疾病Xが森林破壊と野生動物の売買によって引き起こされる可能性が高いと推測しているとのことだ。野生動物の中でも、コウモリは多くのウイルスを保有する種である。各種の渡り鳥やセンザンコウもしばしば鳥インフルエンザウイルスを媒介する。

ラム氏によると、もしも「疾病Xは野生動物を由来とする」という観点で一致するならば、関連機関は人類だけでなく、野生動物や農場の家畜化された動物も含めて、この病気の監視を強化しなければならない。

ラム氏は、動物から人に感染している複数の証拠がある場合、新型コロナウイルス流行の教訓に学ぶことが、感染拡大の早期抑制対策を講じる際に重要あると強調した。

モナシュ大学(オーストラリア)マレーシア分校助教授ヴィノド・バラスブラマニアム博士によると、気候変動は将来伝染病の発生リスクを増加させる。研究者である彼は、重要なことは気候変動問題を解決し、将来の伝染病を防止することだと述べている。

ヴィノド・バラスブラマニアム氏いわく、森林伐採、都市化と産業拡大、畜産業の拡大は必要なことである。しかしながら、これによって動物が人間の生活圏の近くで暮らすこととなり、動物から人への感染症拡大リスクを増加させる。

二人の専門家はともに、疾病Xは呼吸器などの感染症であるが感染者に疾病の兆候は見られないものだろうと予測している。

ラム教授は、疾病Xは一種のウイルスによるもので、動物の体内で高度な変異をし、人間への感染力も高いと予測している。

一方研究者のヴィノド・バラスブラマニアム氏は、次のパンデミックは人から人への感染力の高い呼吸器感染症によるものであるだろうと予想している。感染者が咳やくしゃみをしたり、大きな声で話すことで病原体が拡散される。

しかし、彼によると「疾病X」の出現は、後天性免疫不全症候群(AIDS)を引き起こすHIVウイルスのように、動物から人への感染によって起こる可能性がある。

ヴィノド・バラスブラマニアム氏によると、インフルエンザウイルス、特にH5N1型はウイルスの中でも「疾病X」を引き起こす可能性が高い。このほか、彼は将来新しいコロナウイルスの出現する可能性があり、このウイルスは変異する能力あるとしている。

WHOは、COVID19よりもさらに生命に深刻な被害をもたらしうる「疾病X」のもととなる可能性のあるウイルスの種類をリストアップした。


【写真】イラスト(出典:ジャカルタポスト)


Nguy cơ xuất hiện “bệnh X” do ảnh hưởng của biến đổi khí hậu
https://www.vietnamplus.vn/nguy-co-xuat-hien-benh-x-do-anh-huong-cua-bien-doi-khi-hau-post900215.vnp


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翻訳者:飯野眞音
記事ID:6845