家を放棄して避難している300万人以上が支援を必要としている

2024年05月15日付 その他 - RFAビルマ語 紙
カンバルー郡で軍評議会の進軍により避難してきた人々、2024年3月27日
カンバルー郡で軍評議会の進軍により避難してきた人々、2024年3月27日
ミャンマーでの軍事紛争の激化により家を放棄して避難している人が300万人以上になってきており、これは国にとって悲惨な状況の象徴の一つであると国連事務局は5月3日に発表した。

2023年10月後半、空爆の激化により家を放棄して逃げている人がより増えており、難民の数は過去6ヵ月以内で50%と明らかに増加していると国連は述べている。

戦争避難民たちは時間が経つにつれて助けが必要となっており、軍評議会の空爆のせいで住居に帰ることができない。

軍評議会に対抗してカレン民族解放軍(KNLA)、同盟組織が今年の始めから戦闘を続けているカレン州コーカレイ市は、現在崩壊した町になっていると、地元民たちが述べた。

戦争から避難していて困難がたくさんあるが、空爆を心配しているため、町にはまだ帰れないのだと戦争から避難しているコーカレイ郡地元住民が述べた。

「至る所で戦争が起きている。米も不足しているときには食料にかなり困っている。さらに戦闘が長く続くときには物流が止まり、往来が困難な山道を使用しなければならないため物価が上がってきた。健康面はというとコーカレイ南部にある通常であれば開院している病院を開くことができず、かなり困っている。安全面では最近、戦争避難民が暮らすミョハウン村の僧院に空爆があったため一人の僧侶が亡くなってしまった。地元住民も負傷した。コーカレイ市内での戦闘が発生して4か月の間に市は壊滅してしまった。そのため多数の人々が戦争を回避した場所から戻ってこない。」

コーカレイ郡の住民は山の中や僧院、知人の家に避難している。

国際連合の統計によると住宅を放棄して避難している人々はチン州、マグウェやザガイン管区に150万人近く、カヤー州、バゴー管区、カレン州、シャン州南部、モン州とタニンダリー管区東南部に90万人以上、ラカイン州に35万人以上存在する。

軍評議会による空爆のせいで故郷に帰ることのできない人々や、村を焼き払われたために帰る家を失った避難民もいる。

村が焼かれたため、まだ家へ帰ることができておらず、戦争避難キャンプで1年近く生活を強いられているザガイン管区サリンジー郡のある地元住民は戦争が早く終わることを祈っている。

「当分は仕事に行くことができない。モンユワの向こう側へ仕事に行こうとするときも、軍に怯えなければならず、男であっても軍にポーター(翻訳者注:戦闘の最前線で「人間の盾」として使われ、また食糧や弾薬を運搬するための人)として連れ去られてしまう。そのようなときに仕事をするのは簡単ではない。衣食住も困難である。宿泊しているのは学校のみである。困難はたくさんある。状況が良ければ早く自分の家、自分の畑で生活したい。こんなこと早く終わってくれと願っている」

この数日だけで、軍評議会の軍の空爆のためにマグウェ管区ソー郡チャウトゥ町アチーパンパルン村で地元住民16人、ザガイン管区ディベイン郡マチーオウ村で防衛部隊の隊員4人と地元民3人の合計23人が死亡した。

未だ住居に戻ることができない避難民のための国際的な援助がより一層必要になっているとザガイン管区サリンジー郡、インマービン郡、カニー郡、パレー郡などの郡からの戦争避難民を援助している上ビルマ・ピッタインダウンレーミャーの責任者であるマ・プープィンウェーが語った。

「緊急の戦争から避難してこなければならない場合、手元に基金がないときには、とても苦境に陥る。国際的な援助が必要だ。私たちにも限度がある。時折援助をしなければならない地域は多い。しかし、十分な額ではない」

避難民らは、猛烈に暑い季節による健康上の問題と飲料水の不足に直面しており、清潔な水を得るうえでの困難などにも直面している。
 
避難民が35万人以上もいるラカイン州のチャウトー市では、難民キャンプが9か所あり、戦争避難民はおよそ3万人いると、避難民らを援助しているチャウトーの地元民の1人が語った。

 まもなく雨季が訪れるため、戦争避難民らのために雨よけや衣類、医薬品が必要となっていると彼が語った。

「雨季に入るので、雨除けが必要だ。主要な食糧である米、油、塩も必要だ。市内の(避難民)キャンプでは現在インフルエンザが流行っている。健康管理が必要だ。子どもたちの教育の権利が失われているという困難もある。女性の生理用品も、ここでは価格が高騰しているため、それらが必要だ」

全国の戦争難民の状況に関して、軍評議会の社会福祉救済復興省に本紙が問い合わせたところ、災害管理局にのみ連絡するように言われた。本紙は何度か災害管理局に連絡したが連絡は取れなかった。

国民統一政府(NUG)の人道問題・災害管理省は毎月30万の難民を支援し、緊急事態が発生すれば、35万人近くまで支援していると、大臣のドクター・ウィンミャッエーが4月にNUG設立3周年(のスピーチ)で発表した。長期にわたる戦争避難民が多くなってきたので、毎月支援できない可能性があるとも述べた。

ザガイン管区パレー郡だけで避難を余儀なくされて来た世帯が900世帯を超えているとNUGの人道問題・災害管理省のパレー郡担当コー・ゾートゥンが語った。

「軍評議会の進軍のための焼き打ち、理由のない放火、空爆のために暮らすことができないため、緊急食糧支援としてNUG人道問題・災害管理省が協力している。もう家がないため、緊急の雨除けが得られるように実行している。さらに、仮設小屋を建てるために協力している。」

ミャンマーで激化している軍事紛争のため、1860万人の国民が人道支援協力を必要としており、これは2023年と比べて100万人以上増加していると国際連合は発表している。


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:H.R S.W I.M T.N S.M T.H K.H
記事ID:6882