地震の被害を受けた地域で盗難や強盗が増加
2025年04月02日付 その他 - ミッズィマ 紙

大地震のためマンダレー、ザガインを含む被災地域で多くの住民の家屋が破壊された。そのほか現在被災地域において盗難や強盗の被害が悪化しているため被災者はさらに憂慮している。(写真:CJ)
大規模地震の被害に直面しているマンダレー、ネーピードーを含む複数の郡において、崩壊して居住できない住宅内で盗難や強盗の被害など犯罪が発生しており、憂慮する状況であると地元民が述べた。
マンダレー市では、強盗らがゴミ拾いをしているふりをして所有者のいない住宅内から貴重品を持ち出していると被災者である地元民が述べた。
「実際にゴミ拾いをしている階層の人たちではなく、集団で住宅内において脅しや暴力で物を盗んでいるような状況、家に一人しかいない場合はそれ(強盗被害)を言い出せないような状況を目にしている」と同氏が述べた。
マンダレー市は地震の被害を最も多く受けており、住宅建物が崩壊した人の多くは臨時の避難所や近隣の場所に避難している。
現在発生している盗難や強盗に対し軍評議会は対応できていないことを地元民が述べた。
崩壊したマンダレー市のマソーイェイン僧院の僧侶の一部は、屋外で一時的に暮らしているが、3月29日夜、ある集団から強盗の被害を受けたことがわかった。
「ゴミがある敷地内で、屋根もなく清潔な敷物もなく、食料や飲料水も近くになく、蚊を追い払うためのうちわ一つ、コップ一つを横において(僧侶が)就寝しようとしていた時、5人が刃物を出して使い古しの電話を盗んでいった」とマンダレーの災害救助を行っている人が述べた。
崩壊ではなく傾斜したり壁にひびが入ったりしたため居住できず避難している人たちの住宅内で、残っている貴重品が盗まれていることもわかった。
「盗まれて何も残っていない。これほど危険があるなかで、いつどのように侵入して取っていったのかわからない。私たちは今、家も壊れ何も残らず道端で生活し困っている中で、心配が重なっている。かなり困惑している。どのような気持ちで盗んだというのか」とマンダレー市民の一人が述べた。
地震の酷い被害を受けたネーピードーでも盗難や強盗が発生しており、安全ではないことを地元民が述べた。
3月31日夜、ネーピードーのタズィン6地区15号棟で強盗が発生したことを地元民がソーシャルメディアに掲載している。
「住宅の方に知らない人たちがやってきた。崩壊するかもしれないので私たちはそこには暮らせない。役所もそこに住まわせない。しかし、安全(防犯)のための計画も存在しないままだ。安全を自分たちで確保しなければならない」とネーピードーで地震被害を受けた公務員が述べた。
こうした犯罪発生のため憂慮していることを地震で被災した人たちが述べた。犯罪を現在より悪化させないよう、望まぬ問題がさらに大きくならないよう、効率的に安全対策を実施していく必要があることも要請した。
「政府の人たちがどこに行って何をしているのかわからない。困惑している。仕事もない。長期にわたって大変困難となっている。これらを早急にどのように解決していくのか。それに加えて犯罪を手招きしている状態だ」とマンダレー市民が述べた。
3月28日にマンダレーとザガイン近郊を震源とするマグニチュード7.7の強力な地震が発生し、マンダレー管区、バゴー管区、ザガイン管区、ネーピードー及びシャン州でひどい揺れを感じた。
800万人以上が被災し支援を必要としていることを、国民統一政府が4月1日に発表している。
地震の死者は2719人にのぼり、4512人が負傷、441人が行方不明となっていることを軍評議会が4月1日夜に発表している。4月1日夜までに本紙がまとめた統計によれば、自身の死者は3668人、負傷者は3524人となっている。
地震の被害を受けた地域では、テント、飲料水と医薬品が欠乏していることを国連人道問題調整事務所(UNOCHA)が警告しており、この状況が犯罪に対し憂慮される状況になってきていることを被災者が述べた。
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翻訳者:ビルマ語メディア翻訳班(SA)
記事ID:7097