オジャラン「ロードマップ」、その内容が一部明らかに
2009年08月17日付 Milliyet 紙

イムラル島に収監中のオジャランは、弁護士に、「連邦制というなら、それは受け入れられない。私の解決策は、『国家があり、その一方で民主的なクルド民族がある。クルド人は国家の存在を承認し、受け入れる。国家も、クルド人が民主的な民族として自立する権利を認める』というものだ」と語った。

テロ犯罪者としてイムラル島に収監中のアブドゥッラー・オジャランは、クルド問題の解決に関しロードマップの発表を準備しており、最近の弁護士との接見で、これに関する示唆的発言をした。ムフタファ・ケマルが共和国をつくって以来の重要な局面に立っていると語るオジャランは、「全ての人が、頭の先から爪先まで、変わる状況だ。1920年ごろにはじまったこのプロセスを、今、終わらせよう」と述べた。

オジャランは、「クルド人は民主的な民族として存在する権利をえる。スポーツ、教育、宗教組織、議会、地方自治を可能であれば、自身で行う」と語り、さらに、地域内の紛争解決のための「自衛力」も含む一種のモデルを提案した。北イラクにおける連邦制を、自分のモデルとは合わないとし、アメリカがPKKの非武装化を望んでいると強調した。そして、「アメリカは我々と合意するだろう」と述べた。

この内容は、オジャランが金曜日にイムラル島で接見した弁護士たちに話したもので、PKKとの密接な関係で知られるフラト通信のインターネットサイトで昨日(16日)、公開された。弁護士たちもその内容を確認している。オジャランの意見は要約すると次のとおりである。

自分(オジャラン)を絶対とする秩序があった
自分にだけ責任を押し付けても、解決策は進展しない。「どこかでやってくれ。自分は命令に従うから」といっていては始まらない。どこかから出来合いの解決策が出てくるのを待っていては、解決は遠い。こうした人頼みの精神は、かつての、自分(オジャラン)を絶対とする秩序のもとでは、よくみられた。

1920年に始まったプロセスが完成する
新しいプロセスがはじまった。これは、新しく、これまでとは違う時代だ。ムスタファ・ケマルが共和国をつくった時と同じくらい重要なプロセスだ。この新しい時代に、民主的な社会が作り上げられるだろう。
自分は、共和国によって得たものを軽視はしない。しかし共和国は、いま、民主化し、その全てのよい面、プラスの面を新しい時代につなげていく。とても時間がかかったが、こうなってよかった。1920年に始まったプロセスを、今、完成させよう。

民主市民党はこのプロセスを十分に理解するように
皆がこの新しいプロセスを理解しなくてはいけない。とくに民主市民党は理解しなくてはいけない。民主市民党がこの新しい時代を理解しなかったら、よくよく理解しなかったらなら、党は乗り越えていかれるだろう。民族主義者行動党や共和人民党も、このプロセスを妨害してはならない。妨害を続けたらならば、6ヶ月もしないうちに、党は力を失うだろう。公正発展党も、長くは待てない。年明けを待つこともできないだろう。2ヶ月もすれば、公正発展党の本当の目的、どこまでのことができるかが明らかになる。本気かどうかもはっきりする。

アメリカは我々と妥協せざるをえない
アメリカやその他の政治的大国は、新しい方法で中東政治を行うだろう。彼らはこのプロセスに、PKKが含まれることを望んでいない。しかし、この問題を無理やり、武力で終わらせらことができないことを理解している。PKKを武装解除しようと望んでいる。しかし、彼らは我々と妥協せざるをえない。ある妥協が生れるだろう。これは、イギリスやアメリカの200年に及ぶ外交が、はじめて我々に配慮する妥協となるだろう。

イラク型の連邦制には反対
かつては(クルド人)国家を樹立さえすれば、あとはどうにかなる、と思っていた。その後、国家が解決策ではなく、むしろそれが問題の源となるという考えに至った。国家ができただけでは問題は解決しない。もっと問題は複雑となる。このため、今は(クルド人)国家の樹立を解決策とは考えていない。自分に、アメリカがバルザーニーに与えたような連邦制はどうか、といわれたら、私は認めない。私の解決策は、それ以上のものだ。ヨーロッパのやり方は、自分の案に少し近い。しかし、ヨーロッパのよりも、もっと発展したものだ。ヨーロッパのモデルは完全な民主主義ではない。

国家と、民主的なクルド民族
私の解決策は次の通りである。まず、国家があり、一方で民主的なクルド民族がある。クルド人は国家の認め、承認する。国家の側も、クルド人が民主的な民族となる権利を認める。この結果、どこか中間で接点が生まれ、妥協が成立する。その後、国家は望むなら、どこにでも旗をたて、市民への行政を行う。望むなら、あらゆるところでトルコ語を教える。

クルド人の議会と自衛隊
クルド人があらゆる分野で組織をつくることが認められる。クルド人は、民主的な民族として存在する権利を得る。自分たちのスポーツチーム、教育、宗教組織、議会、地方自治体を、可能であれば、自分たちでつくる。さらには、防衛力ももつ。自分たちのごたごたを解決するために、防衛的な軍事力が必要になる。
クルド人は、自分たち自身を民主的なやり方で組織化し、守る。このプロセスにおいて、私の前途が開けるように、そして、これを一緒に前進させるために、条件が整えられなければならない。

トルコ人とクルド人は隣人
全てが頭の先から爪先まで変わる状況だ。社会全体の新たな構築について、最小の細胞に至るまでの変化について、民主的な社会について語っているのだ。ある人たちは、母語での教育や、文化についてだけ語っているが・・。私の解決策では、トルコ人とクルド人は、自分たちの言葉と文化、生活スタイルを自由に表現する。両者は隣人となる。社会は、自分たちの民主的な行政や自治を、教育を、さらには自衛力を生み出す。国家は、これを妨げてはならない。

ギュレンとの接近もありえる
フェトフッラー師について勉強している。本を読んでいる。否定的には考えていない。クルディスタンには、彼らの学校や組織がある。組織は民主的だ。互いの接近はありえる。

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:17224 )