漏えい米外交公電の中のトルコ―RojTVで外交取引き
2010年11月30日付 Hurriyet 紙
ウィキリークス漏えい資料で明らかとなった、フェリドゥン・スィニルリオール外務次官とアメリカ合衆国のウィリアム・バーンズ国務次官の会談が、デンマークのマスコミで注目の的となっている。会談では、トルコがアナス・フォー・ラスムセン氏のNATO事務総長就任に関しての異議を撤回する見返りに、デンマークもRoj TV閉鎖のための必要な手段を取ると約束したとして、メディアを2分させている。
アメリカ合衆国国務省から漏れた秘密資料のなかの2010年2月25日付けの報告書では、2月18日にアンカラでバーンズ次官とスィニルリオール次官との間で行なわれた会談の内容の詳細が言及されている。
問題の会談で、スィニルリオール次官は、ベルギーとデンマークがPKKに近い組織に対し行っている取り締まりが生ぬるいと不平を言っている。次官補佐でトルコのNATO常任代表タジャン・イルデム氏は、2009年にアメリカ合衆国のバラク・オバマ大統領の仲介のもと達成された合意の一部として、「デンマークが、PKKのスポークスマン的立場にあるRoj TVの閉鎖問題において、トルコの要求を受け入れるための必要な法的措置をとると約束した」ということを指摘している。イルデム氏は、この問題に関し未だにまだ一歩も進んでいないとしている。
トルコのある人物をNATO副事務総長にするとのアメリカ大統領の約束を持ち出したスィニルリオール次官は、彼の代わりにあまりふさわしくない、あるドイツ人が選ばれたことを述べ、「ラスムセン総長とメルケル大統領のあいだに密約があったのではと思っている」と発言している。スィニルリオール次官は「あなたたちを信頼して、ラスムセン事務総長の当選を認めたのに・・」と話した。
ウィキリークスの資料で明らかとなったこれらの会話は、デンマークの一部報道機関によって「ラスムセン総長は、Roj TVを売った」との見出しが付けられた一方、多くの報道機関も「ラスムセン総長はトルコとの約束を守らなかった」との見出しを掲載した。
2004年以降、衛星放送を使って68カ国で放送しているRoj TVは、「ウィキリークスの資料で、違法な取引が明らかになあった」とし、コペンハーゲンを拠点にしたこの報道機関(=Roj TV)の閉鎖のために開かれている裁判を中止することを求めた。
デンマークのラールス・ベルフォード法務大臣は、5年間にわたる捜査の結果、8月31日にジョルゲン・スティーン・ソレンセン国家検察官の請求を受け、Roj TVについてテロ対策法をもとに裁判が開始されるよう許可を与えていた。
デンマークでRoj TV閉鎖について行なわれている裁判は、2011年8月15日に審理が始まる。
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( 翻訳者:小川玲奈 )
( 記事ID:20819 )