■イスラエル軍、入植者のための逃げ道を掘る

2012年8月21日　火曜日　『アル=ハヤート』
【エルサレム被占領地：アーマル・シャハーダ】

イスラエル軍はレバノン国境沿いのアル=ミトラ地区に入植地に住むイスラエル人たちが、ヒズブッラーの要員が国境を越えミトラ地区に侵入し、制圧するというシナリオに備えて、逃げることができる道を掘る作業を始めた。このシナリオは、イスラエル人らが予想し、イスラエル軍がそのための訓練をしているシナリオである。

軍事筋は、（掘削作業のために）選択された地区はレバノン人には明らかにされておらず、それは脱出の際にイスラエル人の安全を確保するためであることを明らかにした。アル=ミトラ地区が三方からレバノン領に囲まれていることから、脱出道路の掘削が決まった。アル=ミトラ地区は現在、安全保障状況が悪化した場合のイスラエル人の最大の懸念事項となっている

また軍の情報源は、（脱出道路掘削に先立ち）国境地区で数カ月前に軍が建設を始めた壁は、戦闘が発生した場合はアル=ミトラ地区の住民を保護する上で不十分であると指摘した。

イスラエル人達は、脱出道路掘削という措置が緊急時においてアル=ミトラ地区の住民が家から脱出する主要かつ唯一の道だと考えている。

世界の関心がイランとの問題や、イスラエルがイランの核関連施設を攻撃することに関心を寄せる中、イスラエルはレバノンとの問題を軍事的優先事項の筆頭に再び置いた。北部のグーラーニー旅団第「51」団が緊密で継続的な演習を実施しているが、これはイスラエル軍の表現によるとレバノンの諸集落の占領、ヒズブッラー要員の制圧、レバノンの諸集落の結合のためである。

一方、イスラエルと米国の両海軍が、地中海で船舶がミサイル攻撃を受けた可能性を想定した演習を行ったことが明らかになった。また、ハイファでは北部で最大の避難所が完成したが、この避難所はヒズブッラーのロケット弾がハイファの化学工場に着弾することを恐れ、化学物質や毒物からの防護用になると言われている。

新任の国内安全相であるアビー・ディシュターは、「レバノンのヒズブッラーが攻撃力･防御力を強化していることは、シリアとガザからの脅威と同様に、イスラエル国家に対する戦略的脅威である。これは、イランからの脅威に付け加わる。」との見解を示した。

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（ 翻訳者:小澤菜穂 ）
（ 記事ID:27410 )