大統領選8候補によるテレビ討論を振り返る(前篇):4000万人が視た番組の企画と世論調査
2013年06月13日付 Mardomsalari 紙
番組の模様(jame jam onlineより)
番組の模様(jame jam onlineより)

【同紙11面】イラン国営放送選挙対策本部長のマジード・ダーネシュヴァル氏は、以下のように発言した。

先日行われた[3回の]テレビ討論の各回について、それぞれの終了後にその都度、番組世論調査が行われた。平均して国営放送の視聴者の65%に我々[の番組]を届けることができた。それは、イランの人口のうち約4000万人に相当する。


選挙、しかも大統領選挙のような[大イベントの]開催に向けての番組編成は、広範なものとする必要がある。詳細な企画が、そして、それは実施・放映において公平であることに加えて、最終的にはより多く投票への参加を促すものになり得るような内容豊かで広がりのあるものとなるべきだろう。

そして、今年国営放送は、これを極めて高いレベルまで達成することができた。それは、イスラーム革命最高指導者が様々な階層の人々を前にした最近の演説で、「[今回の]選挙に際して国営放送が行ったことは、[イランには]表現の自由がないと侮辱する者たちを恥入らせた」とおっしゃったほどだ。 […]

大統領候補8名のテレビ討論の開催、そして、候補者らが継続して国営放送に出演していたことなどが、マジード・ダーネシュール同本部長とのインタビューで提起されたことである。以下、続きを読んでいただきたい。


■国営放送選挙対策本部長に訊く

-候補者8名による[テレビ]討論の開催は、どのように計画されたのですか?

私たちは1388年(西暦2009年)に4人の候補による討論を、2対2という形で行った経験がありました。今年は候補者数が多かったことでこの形式をとることはできませんでした。そこで、我々は8名で討論を行うことによる一連の長所・短所を書き出したものを200人の有識者や学者、神学生らに宛てて送りました。彼らに意見を述べてもらい、私たちはそれらの意見を隅々まで分析し、最終的に討論会の開催の方法を彼らから募りました。

[…]

-さらに、企画はどのように進行しましたか。

こうして候補者8名による[テレビ]討論の開催を第65条(宣伝調査)委員会に提案しました。この提案は受け入れられ、番組進行表を作成するよう言われたことにより、30分毎の枠で[番組の進行が]調整されたのです。

すなわち、各候補と他の7名の候補者との討論は、約26~27分の時間をとりました。また、第1回テレビ討論の番組終盤では、議論がより白熱したものになるように、4択の質問を用意し、画像も使いました。もっともこれについては、後で一部の候補者から抗議を受けました。


-あの方法には候補者や視聴者の一部があまり快く思わなかったようですね?

後日行われた世論調査で、あの四択での質問方式について、視聴者の47%は良かった、53%は良くなかったと回答し、その結果、[第2回以降のテレビ討論では]取りやめることになりました。また、視聴者からは画像がない方が好ましいという意見が多かったことから、以後この部分も省かれました。
2二回の討論では番組の進め方がより理路整然となり、さらに、第3回の討論では8名の討論が良い形で展開されました。

-世論調査では、第3回テレビ討論はどう評価されていましたか?

第3回の討論の後に行われた世論調査によると、第3回の討論番組は、より作り込まれ、視聴者の関心を惹きつけるものとなり、疑問点を明らかにしたものであったようです。
我々が行った世論調査によれば、66%近くの人々は、(自らが)どの候補者に投票するのか選ぶためのより良い判断と比較の可能性を、第3回テレビ討論が示してくれた回答していました。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:8411085 )
( 記事ID:30557 )