シリア:仏とトルコ、緩衝地帯の設置を主張。米は拒否
2014年10月08日付 al-Quds al-Arabi 紙

■フランスとトルコ、緩衝地帯の設置を支持。米国は拒否

【各国首都:通信各社】

シリア・トルコ間の国境に緩衝地帯を設置するというトルコの提案をめぐり、欧米諸国の声明に立場の食い違いがみられる。フランスのフランソワ・オランド大統領は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と電話会談を行い、シリア北部での住民虐殺を回避する必要性を強調すると同時に、避難を余儀なくされた人々を受け入れ保護するためにシリアとトルコの国境付近に緩衝地帯を設けるとの考えを支持した。

今週水曜日(8日)、フランス・トルコ両国大統領の電話会談後にフランス大統領府が発表したところによると、オランド大統領は「避難民受け入れのためのシリア・トルコ間の緩衝地帯」の設置を支持したという。

また仏大統領府は声明で、緩衝地帯に関して、「オランド大統領はシリア北部住民の虐殺を回避する必要性を強く主張し、エルドアン大統領が提示した緩衝地帯の設置案への支持を表明した」と述べた。

同日ワシントンでは、ジョン・ケリー米国務長官とフィリップ・ハモンド英外務大臣は、両国がトルコ・シリア国境地帯における緩衝地帯の設置について「協議する」用意があると表明した。

ケリー国務長官は記者団に対して、「緩衝地帯の設置は、…検討に値する1つの考えとして示されている。緻密に検討するにふさわしい提案だ」と語った。一方、ハモンド外務大臣は、「われわれは調査の段階にあり、他の同盟諸国やパートナーとともに緩衝地帯の意図するものが何か、またこの概念がどのように機能するのかを明らかにしなければならない。ただし、私はこの提案を必ずしも排除しない」と語った。

米英両外相が「緩衝地帯の設置は検討に値する」との声明を出したにもかかわらず、米政府はその後、「(同案について)検討していない」と述べた。ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官は記者団に対し、緩衝地帯の設置は「現時点で検討中の事案ではない」と語った。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:田原文太 )
( 記事ID:35556 )