写真家ウミト・オウズ・ギョクセル氏の「写真で見るイスタンブルの図書館」と題された写真展が3月30日にジェマル・レシト・レイ(CRR)コンサートホールで開催される。写真展ではオスマン帝国期の図書館から現代の大学図書館に至るまで12箇所の写真が展示され、1週間に渡って開催される予定だ。

「トルコにこんな図書館があるのか？」 その通り！…トルコにはかような図書館があるが、多くの人はそれを知らない。傍を通り過ぎたり、あまつさえ中に入ったりしているのだが、気づかないでいる。写真家ウミト・オウズ・ギョクセル氏はまさにその目的で、すなわち図書館を紹介するためにイスタンブルの図書館をフィルムに収めた。当初これは特に変わったところのないプロジェクトだった。イスタンブル広域市(İBB)が「図書館週間」のためギョクセル氏に写真展開催を依頼し、ギョクセル氏は12の図書館を撮影し、写真を所有者に譲渡する予定だったが、しかしそうはならなかった。5ヶ月間図書館に出入りする中でベテラン職員たちと仲良くなり、図書館員職の世界に心惹かれた。近しい友人や知人らが彼の写真を見て「トルコにこんな図書館があるのか？」と驚いて尋ねるのを目にし、作品は様変わりした。

イスタンブルにはおよそ400の図書館が存在するが、ギョクセル氏はトップレベルの図書館を撮影した。イスラム歴史芸術文化研究センター(IRCICA)図書館、イスラム研究センター(İSAM)、アタテュルク図書館、女性作品図書館、希少作品図書館、カドゥキョイ歴史文学芸術図書館、ベヤズト図書館、スレイマニイェ図書館、オルハン・ケマル図書館、アフメト・ハムディ・タンプナル図書館、カーディル・ハス大学図書館、İTÜ(イスタンブル工科大学)図書館だ。トップレベルの図書館とは言うが、これらもまたあまり知られていないとはなんて皮肉なことだろう。

（写真はアフメト・ハムディ・タンプナル図書館）

51度目の図書館週間は2015年3月29日（日）から4月5日（木）まで。イスタンブル広域市音楽隊の伴奏で、14時にトゥネル広場で始まる伝統的な「イスタンブルの図書館は進む」プログラムにより幕を開ける。イベントについての詳しい情報は、以下URLから知ることができる。kutuphanehaftasi.istanbulkutuphaneci.org

■「倉庫も我々の家より整頓されている」

　ウミト・オウズ・ギョクセル氏は「写真で見るイスタンブルの図書館展」で来場者が今日まで気づかなかった細かな部分、たとえば図書館の印象的な建築物をこの写真で見つけるはずだとして以下のように続けた。
「図書館はイスタンブルの文化史で最も重要な要素である書籍の家です。最重要の情報を保護しているのにも関わらず社会の小規模な部分しかこの恩恵を受けていません。今回の展示会ではまずイスタンブルの住民にこの財産を知らせ、伝えたいと思っています。何百もの図書館のうちの一握りの部分(しか)行けなかったのが残念です。」

我が国が読まない社会であることを皆が不満に思っている。しかしギョクセル氏の印象は希望をもたらす。彼の5ヶ月におよぶ図書館観察で分かったのは以下のようなことだ。混雑の度合いは非常に高く、ただ試験勉強のために来ている者だけでなく、図書館の真の目的で来ている者が大多数だ。 İSAMやIRCICAのような専門的な図書館が広まっており、図書館職員は常に利用者をいかに満足させようかと努力を費やし、利用者に信じがたいほどの敬意を見せる。ウシュク大学の教員でもあるギョクセル氏は、「来館者や職員を観察して、その後撮影に入りました。倉庫に入りましたが、そこさえ我々の家より整頓されていました」と述べる。

　写真展は今年51度目を迎える「図書館週間」の一環で開かれ、4月5日まで閲覧することが出来る。

（写真はカーディル・ハス大学図書館）

■図書館で順々に

3月30日～4月5日の間祝われる　「図書館週間」では、一部の図書館は夜間も開館し、順番にイベントが催される予定だ。イベントは以下の図書館で行われる。ベイオール市立トゥラビババ図書館、情報アクセスセンター、アタトゥルク図書館、ベイコズ・オスマン・アクフラト図書館、バクルキョイ・ルファト・ウルガズ市民図書館、ガーズィーオスマンパシャ市民図書館、カドゥキョイ・アズィズ・ベルケル市民図書館、カルタル市民図書館、マルテペ市民図書館、オルハン・ケマル県立　市民図書館、ペンディキ市民図書館。イベントの詳細は下記のURLから知ることが出来る。http://kutuphanehaftasi.istanbulkutuphaneci.org/

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（ 翻訳者:伊藤梓子 ）
（ 記事ID:37214 )