レバノン:ベイト・エッディーンからシリアへ愛のメッセージ(2)
2019年07月22日付 al-Hayat 紙


■ベイト・エッディーンからシリアへ愛のメッセージ(2)

【ベイト・エッディーン:本紙】

アブド・ラボ氏は展覧会が「完全な」カタログではないとし、次のように述べた。

「展示されている写真は、シリアの全ての社会や全ての都市を表現しているわけではない。ここにある写真は、かつて私のものであったが、もはや存在しないこの国をあなた方に届けるためのものだ。住民の半分が住居からの脱出を余儀なくされ、国内の他地域や近隣国への避難を強いられた。戦争の瓦礫は、新たな顔ぶれやエリートの有様を明らかにしたが、同時に新たな貧困と未曽有の悲劇をも明らかにしたのだ。シリアは殺人者と犠牲者が、そして問題と解決策が同時に混ざり合う『恐怖の国家』になった」。

アブド・ラボ氏は、こうした写真が見る人から微笑みを引き出し、情愛や笑い、郷愁を掻き立てるかもしれないことを指摘する。

同氏は、シリアを破壊した戦争が及んだものは都市や道々に限らなかったことを想起させるために、彼の写真が、見る人すべての心を打つことを願った。

「その戦争は、二つの世界に対する見方の間の対立である。一方は、自由の途方もない価値を知ってそれを熱望する考えであり、もう一方は、自由を恐れ、独裁者の靴に進んで従う考えである」。

そして同氏は「私がそう思うように、私の知るシリアがもはや存在しないのかどうかは、やがて歴史が決めることだろう。その時が来るまで、いつものように、残り続けるものは写真なのだ」と述べ、話を終えた。

展覧会は7月18日から8月10日までベイト・エッディーン宮殿で開催される。

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( 翻訳者:松浦葵 )
( 記事ID:47216 )