イラク:古代メソポタミア文明の魔神、ラマシュトゥとパズズ(1)
2019年07月29日付 al-Sabah al-Jadid 紙


■メソポタミア遺跡の悪霊

【バクダード:ウンマール・ハミード・マフディー】

メソポタミア文明の数々の遺跡は、豊かな想像力から生み出された神々や生き物によって多く育まれた伝説や神話的個性の多様性といった特徴を持つ文化遺産を残してくれた。この分野において、大英博物館のアーヴィング・フィンケル教授(教授は楔形文字研究を専門とし、同施設の近代中東文明科の責任者も兼ねている)は、悪魔・亡霊・精霊・その他の神話的存在、あるいはそれらがメソポタミア文明の民の日常生活に与えた問題や影響、またはその対処法に関する研究を行っている。シュメール、バビロン、アッシリア文明におけるメソポタミアの文化や習慣には、こういった精霊たちとの付き合い方を含んだ非常に興味深いシステムが存在した。

生まれた子どもは特定の神々の保護下に置かれ、神々はその子を成長の間、さらには一生を通して見守り続ける責任を負うことになる。これは人間を悪霊から守るために良いシステムであったように思えるが、当時のメソポタミアの民の信念においては、守護神の気質と人間の気質には関係性があると考えられていた。

(2)に続く

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( 翻訳者:金杉知紀 )
( 記事ID:47259 )