イラク:古代メソポタミア文明の魔神、ラマシュトゥとパズズ(3)
2019年07月29日付 al-Sabah al-Jadid 紙
■メソポタミア遺跡の悪霊
【バクダード:ウンマール・ハミード・マフディー】
ラマシュトゥに関して楔形文字で書かれた詩の中には、彼女が生まれたばかりの子供捜して、家のドアを嗅ぎつけながら通りを歩き回ると描写されている。やがて彼女は家屋に侵入して、子供たちを貪り喰うのだ。つまりラマシュトゥは、その時代における出産プロセスの危険性や、女性が恐れる全てのものを具現化した存在であった。彼女は優美さと危険性を同時に兼ね備えた存在として描写されていたのだ。
魔除けが描写したラマシュトゥのもう一つの特徴は、彼女には「パズズ」という名の宿敵が存在したことである。彼は歪んだ容姿をした非常に醜い顔の悪魔で、一見避けるべき悪霊の一つと思えてしまう。しかし実際にはその逆で、その醜さのおかげでラマシュトゥを完全に追い払うことができるのだ!例えば魔除けの一つには、ラマシュトゥが窓から彼の姿を一目見て、尻尾をまいて逃げ出してしまう様子が描かれている。
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( 翻訳者:金杉知紀 )
( 記事ID:47296 )