シリア:トランプ大統領がシリアからの米軍撤退を撤回(1)
2019年10月22日付 al-Quds al-Arabi 紙


■トランプ大統領は改めてシリアからの撤退を撤回:石油と「イスラエルの保護」

【ロンドン:本紙】

米紙ニューヨーク・タイムズが明らかにしたところによれば、ホワイトハウスの高官たちと防衛省は、シリア東部とイラク国境地帯への約200人の米軍軍人の駐留を含む計画に関して最終的な決定を行った。この計画の実施にあたっては、ドナルド・トランプ米大統領による承認が待たれるばかりであるという。また同紙は、事情に通じた情報筋の話としてこの計画には二重の目的があると伝えた。そのうち第1の側面は「イスラーム国」に対する戦闘の可能性を残すことであり、第2の側面は石油地域がロシアとシリア体制の手に落ちることを阻止することであるという。

それ以前にトランプ大統領は、この計画に合意する可能性を示唆していた。同時にツイッター上の投稿において、アメリカが「石油の確保に尽力してきた」と指摘し、同国が「終わりなき戦争」から抜けるつもりであると表明していた。仮にこの計画が実施された場合、昨年12月、2000名の兵士をシリアの様々な地域から即時撤退させるとした同氏の決定が、改めて撤回されるかたちとなる。また、国防総省からの段階的な撤退提案を受け入れることになる。同様に、トランプ大統領は2週間前にはトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との電話会談を受け、残留部隊の引き上げを決定していた。この電話会談ではトランプ大統領はエルドアン大統領によって、トルコ政府はシリアの領土で「平和の泉作戦」を実施するつもりであると伝えられていた。今日トランプ大統領は、この決定を改めて撤回しており、200人を残留させる提案を受け入れようとしている。

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( 翻訳者:藤原路成 )
( 記事ID:47883 )