シリア:トランプ大統領がシリアからの米軍撤退を撤回(2)
2019年10月22日付 al-Quds al-Arabi 紙


■トランプ大統領は改めてシリアからの撤退を撤回:石油と「イスラエルの保護」

【ロンドン:本紙】

最初に注目すべきことは、200人の米軍が「イスラーム国」と戦うという目標は、軍事面においてただ非論理的な計画であるだけではなく、戦闘自体が不可能であり、むしろ理性の欠如に近いものになる、ということである。なぜなら、仮に「イスラーム国」が自身の軍事力の一部を回復させ、休眠状態にあるといわれる(組織)細胞を活性化することができたのだとすれば、この件の米軍は「イスラーム国」と対峙する能力を持たないであろうからである。このため、米国は「イスラーム国」と戦うためにシリア民主軍に再び頼ることを余儀なくされるだろう。しかし、この選択肢はもはや以前のように何の問題もなく与えられているわけではない。ワシントンが(シリア民主軍との)同盟を放棄し、ロシアとシリア体制の胸中にシリア民主軍を押し付けた後のことだからだ。

次に注目すべき点は、石油の確保に代表される第二の目標の真実を、米国上院のリンジー・グラハム議員が暴いたことだ。同氏はトランプ大統領の側近であったが、シリアからの撤退に関する同大統領の直近の決定や、トルコ政府が「平和の芽生え作戦」を開始するため同国に青信号出すため繰り返された主張に対し、熱心に反対する議員派閥の中心にいた人物であった。やがて同氏がいつものように意見を変えた後は、一転してシリアに関するトランプ大統領の決定を称賛し始め、「いくつかの歴史的解決」に関して楽観的な態度を見せた。同氏は、米国が「油田地帯を近代化し、イランやバッシャール・アサド体制ではなく、シリア民主軍が収入を確保できるよう保証するための、両者間(訳注:米国とシリア民主軍)の共同プロジェクト」に参画しているとさえ公言したのだ。

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( 翻訳者:藤原路成 )
( 記事ID:47904 )