チュニジア:コロナ死者の埋葬問題にムフティーが終止符(2)
2020年04月03日付 al-Quds al-Arabi 紙


◼︎チュニジアのムフティーがコロナ犠牲者の埋葬に関する論争に終止符:故人のための礼拝は1人が行い、遺体洗浄の必要はない

【チュニス:本紙】

今回の声明は、ザイトゥーナ大のシャイフたちがファトワー庁と競い合おうとしているとみなした一部の研究者からの批判を煽った。これらの研究者のうちの1人であるラジャー・ビン・スラーマ氏はフェイスブックに以下のように書き込んだ。「大学教授らはチュニジアのムフティーの代わりに(イスラーム法学的な)見解を表明しようとしている。ザイトゥーナ大学の教授グループの唯一の法的な資格は、私やあなた方や多くの人のように大学で教えることであるが、彼らはコロナ感染者の遺体洗浄と埋葬について『合法的声明』と彼らが名付けた文書を発行することで、法学的見解を(再度)表明しようとしているのだ」。

彼女は以下のように続けた。「私は声明の内容に興味はない。それより大学教授たちがムフティーの肩書きになりすましていることが気にかかるのだ。実際のところ、我が国にはただ1人の公式なムフティーが存在する。この大学における専門的資格の乱用は、個人的に表明され、単に一つの見解として提示された可能性がある意見に宗教的なお墨付きを与えるために使われている。文書の題名も「合法的声明」ではなく「コロナ感染者の埋葬問題に関する意見」といったものでよかっただろう。チュニジアは市民国家であり、法律が実効している。我が国ではただ1人のムフティー以外にムスリムの信仰に関係する特定の問題に口を出せる地位はない。それだけのことだ」。

またチュニジアのある街では、コロナウイルスによる死者の1人の埋葬が緊張を引き起こしていた。一部の人によって、自治体の職員らが埋葬作業を行わないよう妨害されたことが原因であった。その後抗議者らと衝突した治安部隊の介入により、最終的に埋葬作業は行われた。一方、当局者の1人は、同様の事態が今後起こることを避けるため、埋葬作業を軍に委託するよう提案した。

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( 翻訳者:源島菜月 )
( 記事ID:48799 )