小説『スパルタの宮廷』がアラブ・ブッカー賞を受賞(2)
2020年04月14日付 al-Quds al-Arabi 紙


■小説『スパルタの宮廷』がアラブ・ブッカー賞を受賞

【本紙】

アブドゥルワッハーブ・イーサーウィー氏の小説では、二つの空間が絡み合っている。地理的舞台はアルジェリア(それからマルセイユ、パリ)であり、時間的舞台は1815年から1833年までの期間におよぶ。物語の登場人物には二人の外国人と三人のアルジェリア人がいる。二人の外国人はともにジャーナリストで、一人は、フランスの遠征軍とともにやって来たデュポン、もう一人のカヴィヤールは、ナポレオン軍の兵士であったが、のちにアルジェリアで捕らえられた人物である。一方、三人のアルジェリア人はそれぞれ、独立を実現するための道具としての政治に傾倒したイブン・マイヤール、自身が変化のための唯一の手段と描写する革命を呼びかけるハンマ・サッラーウィー、同時期のアルジェリア情勢の変化を注視し続けてきたドゥージャ婦人である。


アブドゥルワッハーブ・イーサーウィー氏は1985年、アルジェリアのジェルファで生まれたアルジェリア人作家。処女作『シネマ・ジェイコブ』で2012年にアルジェリアで最優秀小説賞、2015年に『シエラ・デ・ムエルテ』でアシア・ジェバール小説賞、2017年に『円と扉』でスアード・サバーフ小説賞を受賞。また同年、イーサーウィー氏は自身の『忘れられたものたちの行為の記録』によって未出版作品部門でカターラー小説賞を受賞した。

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( 翻訳者:塚本梨咲 )
( 記事ID:48914 )