パレスチナ:ラマダーン中のガザ市民に対するコロナの影響(1)
2020年05月09日付 al-Quds al-Arabi 紙


■ガザ:ラマダーン中の市民に対するコロナの影響(1)

【パレスチナ:本紙、イスマイール・アブドゥルハーディー】


今年のラマダーンは、世界中のイスラーム教徒に降りかかっている危機のために、過去のものとは様変わりしており、新型コロナウイルスに起因するこの危機は生活の様々な分野に及んでいる。コロナウイルスは世界中の国々を襲い、日々多くの犠牲者を出し続けている。従来の治療薬の使用により、一部の感染者にはわずかに改善が見られているものの、治療法発見に向けたすべての試みが失敗に終わっている。この疫病とともに、ガザ市民は他の国々の人々と同様、悲嘆と苦悩の最中で聖なる月を迎えた。ラマダーンの到来は貧困が市民の大部分を襲ったあとのことだった。貧困は特に労働者層において顕著で、一斉の検疫は彼らを強制的失業に向かわせた。あちこちの都市や地区において、ラマダーンを迎える喜びや準備、自発的な取り組みが姿を消したのに加え、娯楽施設や礼拝所も閉鎖され、特にガザ市民にとって最も美しいラマダーンの儀式のひとつとされる、タラーウィーフの礼拝も無くなった。

コロナウイルスは、厄介な客として3月半ばにガザに到来した。保健当局が、パキスタンから到着しガザ地区に戻った2人の旅行者を最初の2症例であると明らかにした直後、2人は息を引き取った。ガザの治安当局は緊急事態宣言を出す決定を下し、これにより、市民の間でウイルスの感染拡大を予防するための措置として、結婚式場やレストラン、モスクや娯楽施設を含む人の集まる場所は閉鎖された。

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( 翻訳者:今中志穂 )
( 記事ID:49075 )