パレスチナ:ナクバ72周年、記憶の継承と帰還の夢(3)
2020年05月15日付 al-Quds al-Arabi 紙
■「ナクバ72周年」:祖父たちは子と孫へ、「パレスチナ人追放」の時代を語り、帰還の夢が彼らを誘う(ツイートと動画)(3)
【ガザ:本紙】
記念日は、「ナクバの世代」として知られ、その時代を生きた人々が覚えていた痛ましい記憶の扉を開いた。多くの市民は詳細にわたる実体験の記憶を熱心に知ろうとした。彼らは家族の団らんを通して、当時を生きた家族の年長者から、爆撃や殺戮、戦火の下をくぐり抜けて難民キャンプにたどり着くまでのシオニストの攻撃の瞬間の詳細を聞いた。
80代のムハンマド・サラーフ氏は、ラムラ市の破壊された村々の一つであるマガール村の出身だ。彼はその村に住み、父親の畑へ出かけて耕作や収穫作業に参加していた子供の頃の日々や、男たちや女たちが日が昇って沈むまでの一日を、仕事と畑から帰ったあとのお喋りにどのように分けて過ごしていたかを思い出して嬉しそうにした。また彼は、約3年間のナクバが起こる前のことについて、重労働や仕事、少ない収入といった困難にもかかわらず、あの日々が彼の人生の中で最良の日々であり、その土地と彼が離れた村にこそ彼の存在があったと語る。さらに、捕虜が複数階建ての褐色の住居に住む、ガザ中心部のヌサイラート・キャンプにある彼の子どもと孫が暮らす自宅の狭さについて、もし彼らにナクバが降りかからなければ、こうはならなかったと付け加えている。そして彼は父親の広い土地と、その土地がどれだけ多くの子供や孫たちを受け入れられるかということに思いをめぐらせるのである。
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( 翻訳者:YA )
( 記事ID:49100 )