カタール:カタール包囲網の長期化、解決の見通しは(10)
2020年06月03日付 al-Mudun 紙
■カタール包囲網:継続する一連の危機と解決の見通し
【アラブ政策研究センター:ドーハ】
危機の今後
過去三年間クウェートが払ってきた多大な努力にもかかわらず、解決策に関連し実質的な進捗はいまだない。2019年中には湾岸危機の終結につながるような進展が起こるかもしれないという希望が高揚する機会が複数回見られた。カタールは、2019年5月のメッカ三か国サミット、および2019年12月にリヤードで行われた(湾岸)協力理事会会談に首相レベルでの参加を行った。しかし、危機の壁を飛び越えるような前進は見られなかった。また、包囲の解除やコロナウイルス感染症対策のため協力理事会加盟国の努力の結集を訴えるカタールの呼びかけに、包囲主体国の政府が耳を傾けることもなかった。
カタールは自国の主権やとりわけ外交政策に関わる決定の独立性を堅持しているように見える。一方、包囲主体国はカタールの立場を弱め、あるいは同国が諸要求に屈する上での後押しとなるような地域的・国際的な変化に賭けている。こうした諸要求は、米国を含む国際社会の困惑の種となってしまっている。しかし、米国のコロナ危機による衛生上・経済上の影響や、アフリカ系アメリカ人男性ジョージ・フロイド氏の殺害に端を発する怒りの波が、同国選挙に影響を及ぼすことも見込まれている。こうした米国の動向は、次期段階において包囲主体国の想定を変化させることに繋がる可能性がある。
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( 翻訳者:堀嘉隆 )
( 記事ID:49248 )