パレスチナ:イスラエルの教育から消されるパレスチナ市民と占領(2)
2020年07月16日付 al-Quds al-Arabi 紙

■学術的研究:イスラエルの教科書からパレスチナの人々と占領が無きものにされている(2)

【ナザレ:本紙】

カスィーフ議員は、「重要なのは、このことが政府の教育法や、2016年の教育長による発表に対する侵害でもあることに私たちが気付いていることである。教育長は、教育制度の役割を知識の結集、議論の実施、意見に基づいてあらゆる人々の立場を形成することと定義づけている」と続けた。

カフル・カースィム地区の教育部門長であるワリード・タハ議員はこれに先立ち、書籍や研究からパレスチナの物語が無視され追放されることはナクバ以前に始まっており、シオニズム運動によって設立された大学はパレスチナ人の存在を研究や出版物において無視し、パレスチナ人を完全に無視する形で扱い、出席者を欠席とみなしたと強調していた。

加えて、「こうした追放は1948年以降も軍事命令によって続いた。カフル・カースィムの虐殺というパレスチナの物語を無きものにし、この物語を過ぎ去った出来事として扱い、パレスチナ人としての意識やパレスチナの物語を構築する中で虐殺の規模や影響を少なくするための用語を使用することによってそれは表面化した」と語った。

一方、ユースフ・ジャバーリーン議員は、アラブ系市民は人口全体の18%を占めているにも関わらず、アラブ系の人々や専門家たちはイスラエル教育省内の意思決定の場や管理職ポストにおいて真の代弁者を一人ももっていないと述べた。

ジャバーリーン議員はまた、例えば超正統派ユダヤ教徒(ハレーディーム)の人々のための独立した教育システムや、公式のユダヤ潮流(注:正統派)のための独立した教育議会は設立されたが、教育省はアラブ教育議会設立のためのアラブ教育への同様のアプローチを発展させるいかなる試みをも妨害し頓挫させ、また国内のパレスチナ系アラブ人のプライバシーをも無視したと述べた。同議員は「そのため私たちは、アラブ人の専門家の監督のもと、自分たちのことに関する教育の運営の権利を享受することを求める」と続けた。


(3)に進む

(1)に戻る

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:YA )
( 記事ID:49562 )