イラク:国境なき医師団がシンジャール郡の現状に関する報告書を発表(5)
2020年08月10日付 al-Quds al-Arabi 紙


■国境なき医師団は検疫と外出禁止、貧困がヤズィーディー教徒たちの絶望を倍増させたと述べる

Covid-19に加えて、トルコによるシンジャール郡への空爆、同国によるPKK(クルディスタン労働者党)とその小隊に対する継続的な攻撃が発生したが、これらはシンジャール郡の住民への圧力を増幅させた。彼らは自らの故郷が再び戦場となることを恐れている。

先述のアーイド氏はシンジャール山が攻撃に曝された際にスィノニ病院にいたが、最初のミサイルは彼を大いに怯えさせたという。同氏は当初イスラーム国がシンジャールに戻ったと思ったが、複数の電話連絡ののち、トルコ空軍機がPKKの小隊に対する空爆を行ったことが明らかになったという。

アーイド氏が暮らしていた家はトルコによる空爆が狙う武装組織(PKK)の本部の一つに非常に近いため、同氏はこの本部が標的とされることを恐れ、自宅を去った。

同氏は「人々はトルコ空軍機がそこを標的にする恐れから、山岳地帯へ向かうことを控えている。彼らは未来におけるいくつかの良いことを望んでいたが、その希望すらも失い、攻撃が繰り返されることを恐れるようになった。ヤズィーディー教徒たちは2014年に自身らを襲った出来事をいまだ忘れておらず、大量虐殺の影響は、今に至るまで継続的に集団墓地が発見されているシンジャール郡を依然として圧倒している。そのうえ、無力な人々の表情には絶望が現れている。

(後略)

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( 翻訳者:横尾龍汰 )
( 記事ID:49773 )