コロナ第二波でショッピングモール閉店も?
2020年09月02日付 Cumhuriyet 紙
KDMショッピングセンター(AVM)の賃貸・経営コンサルタントの設立者であるムラト・イズジ氏は、トルコではパンデミックの第二波に誰も準備が出来ていないと指摘し、ショッピングモールとその中にある店舗でも閉店が相次いでいると語った。
国内外で50以上のAVMのプロジェクト、コンセプト開発、賃貸と経営サービスを提供しているKDMショッピングセンター賃貸・経営コンサルタントの創設者であるムラト・イズジ氏は、アダナでAVMが閉店したと強調し、その場所が将来的には大学もしくは他の建物として存続し得ると伝えた。パンデミックの第一波が未だに完全に過ぎ去ったわけではなく、第二波は更に困難なものになるだろうと強調し、次のように語った。
「私たちの許を津波が通過した。現在損害の検証を行っています。新たに計画されているAVMは、パンデミックに対応しなければならない状態にあるのです。現行のAVMも借り主たちを引き留め続けるために努力するでしょう。小売り業者たちは新規のAVMへと入店すること、新たな場所を開拓することに全くもって意欲的ではないのです。彼らは非常に悲観的な絵を描いていますし、現状維持に務めています。」
インジ氏は、今期はあまりお金を稼ぐことが出来た時期ではなかったと述べ、「小売り業者たちとAVMの投資家が協力する時期なのです。AVM投資家は常にまるで悪い工場主であるかのように提示されています。現在のところ大部分のAVMでは賃料の引き下げが続いており、また多くの場合、純益を基に賃料を定めています。」と述べた。
また同氏は、この時期に全てのメーカーが独自の戦略を発展させ、先行きの見えない数々の店が閉店されたと説明し、「昨年に50店舗を開店したある男性は今、30店舗を閉めたと言っている」という表現を用いた。
■回復は難しい
イズジ氏は動向を追っているAVMでは、現在のところの売り上げ額が昨年の同時期の70%を超えたところであるとし、次のように続けた。「第二波が来ないのであれば今年の終わりには平常時の状態に戻るが、来た場合には業界が回復する事は困難となる。新たに計画されたAVMはパンデミックに対応しなければならない状況である。AVM投資の回帰は、パンデミックとともに少なくとも20%の割合で延期となった。」
■旅行者からの利益無くなる
同氏は、業界にとって最も重要な利益貢献の一つがツーリストの来訪であり、約30%の買い物が旅行者によるものであるとした。「動向を調べると、一人の旅行客は市民10人に匹敵するだけの買い物を行っていた。このことは平均して小売業者たちの10-15%の純益が旅行者によるものという意味になるのです。現在、旅行者のルートが遮断されました。今日実現をすることが出来なかった旅行者からの利益[の確保を]除けば、さらに感染症が制御されれば、昨年の純益を年末に目にすることができるであろうという希望を抱いています。」と語った。
■52万人への雇用
トルコでは現在のところ434のショッピングセンターが存在していて、この分野には580億ドルの投資があり、52万人が雇用され、65県でAVMが存在しているとして、各AVMに関して行った調査に関連して以下の情報をシェアした。
・AVMの全賃貸[床]面積は1300万平方メートルであり、面積のランキングではトップにイスタンブルがあり、それをアンカラとイズミルが追っている。1000人あたりの床面積のリストのランキングでは、アンカラ、イスタンブル、ボルと変わっている。
・郡でみると、1000人当たりの賃貸可能なスペースで最も高額であるのがイスタンブルのバクルキョイ、イズミルのバルチョヴァ、イスタンブルのシシュリである。
・パンデミックの到来と共に、空調システム、オープンエアスペース、衛生整備を実施したより技術的なディテールを前面に出したAVMは、今後、私たちのことを待っている。AVMではもう回転ドアは見受けられなくなるだろう。
・トルコ-ヨーロッパを比べた場合、2019年のデータによれば1000人当たりの面積はトルコは155㎡、ヨーロッパでは206㎡である。しかし国民一人当たりの収入をみると、トルコは9346ドル台に留まる一方で、ヨーロッパではこの数字は約4倍の約3万5646ドルにまで上昇する。
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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:49825 )