エジプト:コロナ禍でプラス成長の政府と困窮する市民たち(4)
2020年09月26日付 al-Quds al-Arabi 紙


■エジプトにおける市民の経済的苦難と政府の財政規律

【イブラーヒーム・ヌンワール】

和解法がもたらしている現行の危機は法の条項そのものに関係しているのではなく、むしろ法外な手数料や和解申請に添付しなければならない書類のための長く複雑で費用のかかる手続きに関係している。和解金による収入の最終的な算出は今に至るまで出ていないが、その額は、年間平均100億エジプトポンドと3年間で計300億エジプトポンドにおよぶ可能性がある。実際、地方開発省の最初の算出によれば、和解法が成立して以来およそ70億エジプトポンドが徴収されている。

建築違反罰金法は個人消費に悪影響をおよぼし、特に新たな建築認可の発付を6カ月間停止する行政決定が出された現状において、不況の影響を社会全体へ広げるおそれがある。は大きい。この決定によりすでに建設市場は全般的な麻痺状態に陥っている。またこれは、この分野における何万もの臨時労働者が、政府から必要な財政支援を受けられない限り、生計を立て家族を扶養する機会を失うことを意味する。さらにレンガやセメント、鉄筋、木材、セラミック、そしてガラスの製造業だけでなく、建設業界とその労働者を支えるあらゆる産業が打撃を受けることになる。

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( 翻訳者:下宮杏奈 )
( 記事ID:49987 )