イラク:教皇の訪問を歓迎するカラクーシュの町(1)
2021年03月08日付 Al-Nahar 紙


■棕櫚の葉とオリーブの枝の下で、傷ついたカラクーシュの町は教皇を熱烈に歓迎する(1)

【n.p.:本紙】

7年前、ムニール・ジブラーイール氏は町や教会を破壊する黒服のジハード主義者から逃れるべくカラクーシュの町からの避難を余儀無くされた。しかし、イラク北部から来たこのキリスト教徒は、今日、その教会に立ち、白い法衣を身に纏った男性を待っていた。その男性とは、フランシスコ教皇のことである。

61歳となった数学教師は「AFP通信」に対し、「この町の状況は(以前より)安全になった。私たちが教皇にお目にかかれるのは素晴らしいことだ。まさか教皇がカラクーシュにいらっしゃるなんて全く考えもしなかった」と強調した。

また「おそらくこのことは国家再建、そして平和と愛を最終的にもたらす一助となるかもしれない。教皇に感謝する」と付け加えた。

町の入り口では、イエス・キリストがエルサレムで迎えられたように、カラクーシュの住民があちこちの道の脇に立ち、棕櫚の葉とオリーブの枝を手に珍しい訪問者を歓迎した。また、町の入り口には十字架が掲げられた。彼らは2014年の夏、着の身着のままトラックに乗り込み、「イスラーム国(ダーイシュ)」から逃れた人々である。

・伝統衣装
その際、たった数日間で、この町の5万5千人に及ぶキリスト教徒のほとんどが逃げた。そのほとんどはクルディスタン地域に避難し、ジブラーイール氏もその一人であった。

ジブラーイール氏は3年間カラクーシュからアルビールへ逃れ、2016年にイラク北部が過激派組織から解放されたことを受けて町に帰還した。そして2020年には自宅を建て直すことができた。

(2)に続く

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( 翻訳者:片居木周平 )
( 記事ID:50763 )