エジプト:大エチオピア・ルネッサンスダム2回目の貯水が近づく:関連各国の動き(5)
2021年06月13日付 al-Quds al-Arabi 紙

■エジプト:大エチオピア・ルネッサンスダムがもたらすエジプト農業への壊滅的な被害. 一方スーダンのハムドゥーク首相は法的拘束力のある合意に固執する

【カイロ:本紙】

アラブ連盟のフッサーム・ザキー事務次長は、「国連安全保障理事会やその議長および理事各国とコンタクトを取ることは、エジプト・スーダン両国に政治的支援を提供するためのものだ」と指摘した。

また同氏は続けて「安保理の常任理事国の中にはルネッサンスダム問題に関する立場を保留している国もあるが、これはエジプトおよびスーダン側に敵対するものでも、はたまたエチオピア側を利するためのものでもない。しかしこれらの水源各国は、それぞれ自国の権利だとみなしているものが侵害されないということに拘っている」と指摘した上で、「このことが、安保理がこの問題に立ち向かうことをあらゆる点で複雑にしている」と注意を促した。

また、アラブ代表者協議が明日、アラブ連盟の事務局本部で行われることも指摘し、そこでは下流2カ国の立場へのアラブの援助を確認するという以前に似た決定が出され、この問題に対するエジプト・スーダンの立場が再確認されるだろうと予想している。

≪安全保障理事会≫

これに先立ち、エジプトのサーミフ・シャクリー外務大臣は、大エチオピア・ルネッサンスダム問題の最新の状況を説明するため国連の安全保障理事会議長へ書簡を送っていた。エジプト外務省の声明によるとこの書簡は、国際の平和及び安全の維持に関する国連憲章が定めるところの、安全保障理事会が担う責任に基づいて述べられている。

同外相の書簡の中で、エジプトは来る洪水氾濫期にルネッサンスダムの貯水を再開しようとするエチオピアの発表に抗議すると同時に、遵守すべき国際法への明確な違反とみなされるに等しい一方的行動と処置によって下流2カ国に既成事実を突きつけようとするエチオピアの計画に対する断固とした拒否を表明した。

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( 翻訳者:吉岡珠実 )
( 記事ID:51206 )