エジプト:大エチオピア・ルネッサンスダム2回目の貯水が近づく:関連各国の動き(6)
2021年06月13日付 al-Quds al-Arabi 紙
■エジプト:大エチオピア・ルネッサンスダムがもたらすエジプト農業への壊滅的な被害.. 一方スーダンのハムドゥーク首相は法的拘束力のある合意に固執する
【カイロ:本紙】
≪頑迷なエチオピア≫
エジプト外務省のアハマド・ハフェズ報道官が述べたところによると、「国連安全保障理事会への公式文書として公表された外務省の本書簡は、国際社会に対しエチオピアの頑迷な態度の真実を明らかにするもので、同国の態度はルネッサンスダムにおいて公平かつバランスのとれた法的拘束力をもつ合意に至ろうとする幾月にもわたる努力を無に帰する。そしてこの努力はアフリカ連合が見守る協議の枠組みの中でなされてきた。」
同氏は加えて以下のように述べた。「また同様に、ルネッサンスダム問題とそれに対するエジプトの見解についてまとめられた書類が安保理に寄託された。この書類は、同問題に関する国際社会の一種の法的典拠となること、エジプトがこれまでの10年間の協議の中で取ってきた建設的立場と責任を文書化すること、さらには当事者三カ国の利益を配慮し、その権利を保護するような合意に至るためにエジプトが行なってきた真摯な努力を提示することを目的としたものである。」
エチオピアはダムへの2回目の貯水を行うという視野狭窄に陥っている。そして来る7月・8月、1回目の貯水からおよそ1年が経とうとする中で、たとえ合意に至らなかったとしても貯水が行われる。一方、スーダンとエジプトは、ナイル川から得られる年間取水量の継続的確保、そして複数の水施設の保護のため、まず3国間の同意に至ることに固執している。
3国はダムの貯水と稼働について合意に達するため2011年から協議を行っている。しかしこれだけの月日が経っているにもかかわらず、依然合意に至ることに失敗している。
エチオピアは、ダムを青ナイルに建設している。青ナイルはスーダン領内で白ナイルに注ぎ込み、エジプトを流れるナイル川を形成する。エジプトは、ナイル川を経済発展の実現のために必要不可欠であると認識しつつ、一方で同国は90%の飲料水、灌漑用水をナイル川から得ており、生命を脅すものともみなしている。
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( 翻訳者:吉岡珠実 )
( 記事ID:51207 )