政治:アサド政権との関係正常化をめぐる湾岸各国の立場(レポート)(3)
2021年11月13日付 その他 - al-Souria.net 紙


■アサド政権に対する湾岸諸国の立場とは?

【スーリーヤ・ネット】

バハレーン:「正常化は近い」

アサド政権に対するバハレーン王国の認識は、「まず大使館という経路から外交関係を復活させ、その次に『暗雲を取り去る』ための直接会談へと向かう」という、UAEが昨今採用してきた認識と同一である。

アサド政権に近い複数筋やUAEのコメンテーターたちはここ数日、バハレーン政府が数日以内にUAEのアブドゥッラー・ビン・ザーイド外相が講じた措置と同様の動きを行うだろうと予測してきた。

しかし現時点では、バハレーン側からアサド政権との完全な関係正常化に関するコメントは出されていない。

バハレーンのハーリド・ビン・アフマド・アール・ハリーファ外相は、2018年10月のアラビーヤによるインタビューの中で以下のように述べた。「シリア政府はシリアの政府である。我々はたとえ相違があったとしても各国と協力しており、それらの国々を打倒しようとする人々とは協力しない。我々はシリアの人々の願いを実現するために動いている」。

同外相による発言は、同外相がアサド政権のワリード・ムアッリム(元)外相との会談を終えたのちになされたものである。さらに「(シリア当局者との会談は)シリアにおける事件が発生して以来初のものではない。これはシリア問題におけるアラブのポジティブな役割が出現しつつあるという、前向きな変化が世界に生じているタイミングでなされたものである」と付言した。

バハレーンは2012年3月に在ダマスカス大使館を閉鎖し、湾岸地域で同様の決定を行った2番目のアラブ国家となった。しかし2018年後半、UAEが在ダマスカス大使館を正式に再開した翌日、バハレーンも同じ行動をとった。



クウェート:「関係は凍結」

これまでに見てきた各国とは異なり、クウェート当局者たちの声明のほとんどは、アサド政権との関係に対し「相対的中立」の状態を示してきた。これは同国が域内で起こるほとんどの問題に概して適用してきた政策である。

クウェートは2012年に在ダマスカス大使館を閉鎖することを決定したのち、2018年11月には「それを再開した」という報道を否定した。

大西洋戦略研究安全保障分析センターによると、「アサド氏の承認などの諸決定を多国機関(アラブ連盟や湾岸協力会議)に委託することはクウェートにとって利益となる」という。

この見解の正当性は、シリア問題に関するクウェートの言説にも反映されている。つまり同国は、シリアに向けて特定のアクションを起こす前に「アラブ連盟から青信号が出るのを待つ」と述べた。

クウェートは2014年と2015年、シリア人道支援会合の第2回、第3回セッションをそれぞれ主催した。さらに2016年にロンドンで開催された同会合第4回セッションでは他国と協働で議長国を務めた。

クウェートがアラブ連盟で合意が生じるまで、アサド氏の正統性に関連するいかなる決定を延期する可能性は高い。

大西洋戦略研究安全保障分析センターは「クウェートはアサド政権を過度に好んでいるようには見えないが、それがアラブ連盟に復帰するのを妨げることまではしないだろう」と述べた。

一方クウェートのハーリド・ジャールッラー副外相は2018年後半、自国とアサド政権との関係について「アラブ連盟の決定に従って、断交ではなく凍結されている」と明らかにした。

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( 翻訳者:木戸 皓平 )
( 記事ID:51838 )