イラン:政治的「聖域」――ヘゲモニー指標としてのヒジャーブ(5)
2022年09月29日付 al-Quds al-Arabi 紙

【ムハンマド・サーミー・アル=カッヤール:本紙】

イスラーム統治への反対者たちが、イラン体制に反発する諸グループを統合できるという点で、ヒジャーブをとることをどれほど反ヘゲモニー指標にできるのかを問うてもよいだろう。また同様に、彼らが目指すウンマと国家アイデンティティーの代替概念について問うこともできる。しかし、ヒジャーブはあらゆる領域において、普遍的かつ総合的な問題であり続けている。この混乱の只中で自由に選択するという個人主体に関する議論は、形而上学的な想像以上のものではなく、フェミニズムやアイデンティティーの延長によるリベラリズム―左派・イデオロギーの外には存在しない。最も切迫した現代の諸問題に対応するにはあまりにも後れをとり過ぎていたかもしれない。だがこれは自身の役割に関して、非常に問題のある質問を投げかける。政治抗争の場で女性服を脱ぎ捨てることは、この怒りすべてによって、彼女たちの選択が、常に一般的で男性的な性質の論争と均衡の人質であり続けるということを意味するのではないだろうか?それゆえに、個人の自由と女性の選択権の解放に焦点を当てることは、家父長的抑圧のあらゆる形式に立ち向かい、イランの既存のイスラーム体制の根幹を揺るがすほどに貢献しうるう代替的な政治言説への支えとなるのではないだろうか?

(6)に続く

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( 翻訳者:藤原路成 )
( 記事ID:54162 )