◾︎ポリティコ:イスラーム国はコロナウイルスを利用しイラクにおける再編成を画策する
【ロンドン: 本紙】
イスラーム国はウイルス流行の中、様々な方法で活動に順応する優れた能力を持っている。各支部は孤立しており、長期にわたって社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)を保ってきた。社会的距離の実践が、各国が目下取り組む政策となる前からである。
組織の指導部は早々にメンバーに向けて声明を発表し、ウイルスに近づかず接触を避けること、手を洗うこと、咳とくしゃみをする際は口を覆うよう求めた。また、イスラーム教徒に対してハンセン病などの感染症の予防を呼びかける啓典の一節を想起させた。
組織の追随者らは世間から遠く離れた隠れ家や地下の避難所に暮らしており、貯蓄された食料や身の回りの水を摂っている。またソーラーエネルギーを使って電子機器に電力を供給している。
彼らは文字通り、審判からの真の生存者であるということだ。戦略的観点において、地球上にイスラーム国の復活に関する兆候は少数を除いて存在しないが、それはおそらく彼らに対する対テロ作戦が停止していることが原因である。3月にイラク軍が行った「掃滅」を目的とした4つの軍事作戦は4月に入って減少し、作戦に対して実効性を与える有志連合からの治安情報や航空支援も提供されなかった。
これらの作戦はイスラーム国のいかなるメンバーの勾留あるいは殺害に失敗しており、組織の武器保管庫を捜索することに専念していた。2月に米軍とイラク軍が大規模な軍事作戦を実施した際、両軍は洞窟を攻撃し組織の戦闘員が運転する車両を爆撃するためにヘリコプターと航空機「オスプレイ」を使用した。しかし3月に入り同様の作戦は行われていなかった。
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