住居を観光客に貸す者たちへの税務調査

2023年08月15日付 Hurriyet 紙
「宿泊施設の利用率が23%上昇しているにもかかわらず、ホテルは満室になっていない。なぜだろうか?それは、今年は宿泊のうち19%は家が宿泊先となっているためだ。」

地中海観光ホテル経営者協会 (AKTOB)のカーン・キャシフ・カヴァルオール会長はこのように指摘する。8月のはじめにまずメフメット・ヌリ・エルソイ文化観光相、それに続きアンタルヤのエルシン・ヤズジュ県知事が民泊施設に対し「調査が必要だ」と述べた。この調査とは「税務調査」のことである。

では、税法は日単位、週単位で貸し出される貸し家をどう規定しているのだろうか?観光目的の貸し家と、他の家やオフィスとしての貸し家は何が違うのか?どのような場合に短期で家を賃貸に出す人が追徴税の対象となるのか?

■法律によると?

実は、日単位の賃貸に関して法の整備がされたのは最近のことではない。日単位の賃貸でのIDカード提出は2016年に義務化された。昨年には、日単位での家の貸し手と常に連絡が取れるようにすることを定めた 「経営者の義務」(IDカード提示法に関する法 )が登場した。(2022年6月17日付官報)これらの法整備は内務省によるものだが、この件に関しては財務省も法整備を行っている。
298号の所得税公報により、2017年7月1日から日単位での賃貸における支払いを銀行または郵便局(PTT)経由で行うことが義務付けられている。

また財務省は、日単位の賃貸を、通常の賃貸やオフィスしての賃貸 (不動産収入-GMSİ) とは別のものとする見方をしている。不動産収入に関しては徴税のために年に一回申告書を提出するだけでよい(家の賃貸の場合には2万1000リラを、オフィスの賃貸の緒場合には総額15万リラを超える場合)。一方、日単位の賃貸は「商取引による収入」とみなされるため、帳簿を記入すること、年内に申告書を提出し納税することが義務として成立する。

■一回限りの賃貸では不動産収入とみなされる

別荘を一年に一回のみ貸し出しているある人が、手にした収益は不動産収入になるのか、または商取引による収入になるのか分からず財務省に問い合わせたそうだ。アンカラ税務署の回答によると、「所有している不動産を夏季に4-5か月間賃貸に出した場合(一年で一回のみに限り)、それによる収入は不動産収入として課税されることになる。」とのことだ。(2019年7月19日244204号回答)

■年に複数回賃貸に出す場合は「商取引による収入」とみなされる

また、物件を日単位または週単位で賃貸に出すある人は、宿泊者から一定の額を受け取り、家を貸す以外のサービスは提供しなかったことを明らかにしたうえで、これによる収入は不動産収入にあたるのか、それとも商取引による収入にあたるのか財務省に問い合わせたという。財務省は、これを「商取引による収入」にあたるとし、以下のように回答したという。

:不動産を長期間にわたり賃貸に出すことによって得られる収入よりも多くの収入を得ることを目的として、日単位や週単位で頻繁に様々な人が利用できるように準備をしておくため、そして宿泊者らに物件を提供し最後には返却してもらい再び物件を提供できる状態にするためには組織が必要になる。また、当該物件が一定の額で日単位や週単位で提供される場合、賃貸契約に言及されることはないため、この行為は商行為として位置づけられるべきである。(アンカラ税務署、2012年9月13日928号回答)

以上の通り、日単位で賃貸に出す場合には、ただ賃料を手に入れたと誤った考え方をしてしまうと、後から罰則を受けることになる可能性がある。不動産によって商取引による収入を得ている人は、財務アドバイザーからの助けを借りながら、年内追加納税義務にも注意しながら続けていくことで、罰金が科されるリスクもなくなるだろう。


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翻訳者:金子萌
記事ID:56147