■イスラエルが暗殺したヒズブッラー指導者、ハサン・ナスルッラーとはどのような人物か
【ベイルート:アナトリア通信】
同氏の情熱的な演説と、パレスチナ人に対する度重なる攻撃への報復としてイスラエルに対して攻撃を仕掛けるという約束を幾度となく果たしたことは、特にアラブ世界やイスラーム世界において同氏の人気を高めることに寄与した。
しかしこの人気は、2011年のシリア革命に際し、ヒズブッラーが反体制派に相対してシリア政権側に肩入れしたことから著しく低下した。
そして、ハマースやイスラーム聖戦などのパレスチナ諸派が2023年10月7日未明にガザ地区に面した数々の入植地に対して仕掛けた「アクサーの大洪水」作戦と、これに続く同地区に対するイスラエルの戦争(これまでパレスチナ人13万7千人以上の死傷者を出し、開始後1年が経過しつつある)にともなって、同氏の名前が再び前面に出た。
ナスルッラー氏は、「パレスチナの抵抗運動を支援するためにレバノン南部で戦線を開いた」と発表しており、これは同氏が多くの演説で「ガザ地区に対する戦争が終結しないかぎり鎮静化しない」と述べてきた戦線のことでもある。
同氏の暗殺に関するイスラエルの土曜日の発表は、レバノンとガザ地区の両戦線における平和的解決に向けた外交努力に機会を与える目的で、イスラエル・ヒズブッラー間の21日間の一時的な停戦合意の形成に向けたフランスと米国の尽力が加速するなかでなされた。
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