【ジャーメジャム・オンライン家庭版】イラン社会の中で売春は、倫理観や基本的価値基準という観点から罪とみなされている。これゆえに男性の70%は自身の性衝動を結婚によって、すなわち、イスラーム法に適った、かつ[世俗]法上の関係に基づいて、実現している。
[オンライン誌]「ファラー・ナシュル」のレポートを引用したジャーメジャム・オンライン生活版によれば、
マジード・アブハリー氏はこの問題を報告するとともに、結婚を性衝動を制御するための最良かつ最も理にかなった方法であるとし、次のように述べた。
性衝動を非道義的な方法で満たすことは社会においてさまざまな犯罪の原因となるばかりでなく、こうした方法を追い求めることによって、健全で理にかなった行為にも支障が生じてくる。
アブハリー博士によれば、未だに我々の社会では性衝動をコントロールし、適切に対処する方法が若者たちに啓発されておらず、ときにメディアの報道などで、性的な暴力やレイプに関連しての犯罪や殺人を目にすることがあるが、その本質的な理由として性衝動をうまく制御できないことが根底にある。
同氏は、政府や関連機関そして家族が、若者たちが結婚するための環境 を整えるべきであると述べ、同時に次のように発言した。
若者が生きている
マネキン[※着飾り乱れたヘジャーブの女性]に遭遇するとき、どのように自身の性衝動を抑制すればよいのだろうか?
社会病理学者であるアブハリー博士は、
一時婚[※]を社会における性衝動をコントロールする方法のひとつとみなし、こう述べた。
[※]訳注:「一時婚」は、とくにシーア派で合法とされる制度で、性交渉のためにその場限りの、しかしイスラーム法に則った婚姻関係を結ぶもの。「合法的売春」とも揶揄される。また、日本語で言うところの「妾」や「愛人」に通じるような継続的関係を取り結ぶこともある。
フェミニズムの観点からはかけ離れているが、一時婚は健全な精神状態・心理状態を保つためものとして最良の解決策である。
アブハリー博士は同時に、一時婚を妻帯者にではなく、独身者らに勧め、こう述べる。
一時婚は正当な理由によって夫婦関係を結ぶことが困難な若者や男性に推奨されるものであり、夫婦関係をもつことに何ら問題のない既婚男性のためのものではない。
シャヒード・ベヘシュティー大学教授会のメンバーでもあるアブハリー博士はこう述べた。
残念ながら、「ストリート・ガール」(路上での売春婦)を求める顧客の65~70%が、既婚男性であり、こうした実態は、多くの女性たちに、夫が一時婚に走るのではないかとの危惧を抱かせている。
同博士は以下のように続けた。
これゆえにストリート・ガールや家出少女を減少させ、婚外子の増加を防ぐために、また、エイズや肝炎といった危険極まりない病気に罹るのを防ぐために、関連する監督機関が出来るだけ早く性衝動の正常化のため、とくに若者たちのために対策を講じなければならない。
さらに、アブハリー博士は次のように警告した。
さまざまな衛星放送チャンネルが、一切の制限や検閲なしに性的関係を赤裸々かつ下品に映し出している現状では、もしこれらへの規制が忘れ去られ、単なるセミナーや講演、論説[の掲載]や会議の開催だけにとどまるのであれば、社会的病理が増し、道徳的な乱れが広がっていくのを手をこまねいて待っているに等しいであろう。
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( 翻訳者:8407273 )
( 記事ID:32213 )