カタール:カタール包囲網の長期化、解決の見通しは(6)
2020年06月03日付 al-Mudun 紙
■カタール包囲網:継続する一連の危機と解決の見通し
【アラブ政策研究センター:ドーハ】
危機におけるアメリカの作用
サウジアラビア政府は同盟関係にある湾岸の国々と共に、ドナルド・トランプというビジネスマンがアメリカ合衆国の大統領の座を勝ち取ったことを歓迎した。オバマ大統領と民主党の時代、アラブの春や米国・イラン間の接近によって対米関係が損なわれる緊張状態が存在した。これが終焉を迎える中、米政府との完全な友好関係を再構築する好機とみたのである。そのため、サウジアラビアはトランプが選挙キャンペーン中にサウジアラビアに対してした侮辱や横暴で上から目線の表現行為を許容することを決めた。トランプ大統領がオバマ大統領時代の遺産に対して露わにした明確な敵意は、サウジアラビアがこうしたアプローチを継続するよう促した。イランとの核合意に関連し、ホワイト・ハウスに就くやいなや米国の同合意からの撤退を宣言したことに加え、アブドゥルファッターフ・スィースィーのような「強い」首脳らに対する激賞、民主主義や人権といった問題に対する無関心が、そうしたトランプ氏の姿勢の中でも典型的である。
このころになると、2014年危機は完全に解決されたのではなく、ただ導火線が取り除かれたのみであったことが明らかになり始めていた。カタールとその近隣諸国との関係は正常な状態へと戻ったかのように見えたにもかかわらず、2014年危機の根源は残されたままであった。アラブ首長国連邦とサウジアラビアの意図、すなわちカタールの外交政策に対して自国の指示を強要しようとする意図も同様に残ったままであった。カタールは、いずれ内政的な指示命令に変容しかねないこうした強要を拒否し続けていた。
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( 翻訳者:堀嘉隆 )
( 記事ID:49243 )